2014 Fiscal Year Research-status Report
CAD/CAMを用いたコンポジットレジンインレーに対する接着前処理方法の開発
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26861605
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小林 幹宏 昭和大学, 歯学部, 助教 (00465080)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | CAD/CAM / コンポジットレジン / プラズマ処理 / 接着 |
Outline of Annual Research Achievements |
プラズマとは電子が軌道から飛び出した状態のことを指し、他の電子を取り込むなどして安定な状態になろうとするため、接着面の改質が期待される。被着面にプラズマ処理を用いて表面改質し、CDA/CAM用コンポジットレジンブロックに対する未重合レジンの接着性にどのような影響を与えるかについて、せん断接着強さを用いて評価を行った。CAD/CAM用コンポジットレジンブロック接着面に対する前処理方法は未処理、アルミナサンドブラシ処理(50μm)、トライボケミカル処理(25μm)の3条件とし、その後、 真空プラズマ処理(未処理, 1分, 3分)の3条件とした。 接着強さの値、接着界面の破断様式を用いて各種接着面前処理、プラズマ処理による接着強さに与える影響について比較検討した。 被着面対する3種前処理方法ではせん断接着強さ、破断様式から考察すると、トライボケミカル処理が最も接着強さがあり効果的であった。しかし、プラズマ処理では、処理時間に関係なく接着性の向上は認められなかった。プラズマ処理の利点である被着面の親水性の向上、 洗浄効果が期待されるが接着性の向上には有効ではないことが示唆された。プラズマ処理により被着面の分子構造が変化した可能性があり、プラズマ処理後の被着面の性状を検討する必要がある。今後は窒素, アルゴン等のガスを用いたプラズマ処理による被着面の改質を行う予定である。CAD/CAM用コンポジットレジン接着面に表面改質処理を施すと、研磨面に対して接着性を顕著に 向上させることが認められた。大気プラズマ処理では接着強さの向上への影響は小さかったため、プラズマ処理条件について今後検討して行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究から被着面に対するアルミナサンドブラスト、トライボケミカル処理は接着性の向上に有効であるこたが示唆された。しかし、大気を用いた真空プラズマ処理による被着面の改質方法では接着性の向上への影響は小さい結果となったため、窒素、アルゴン等のガスを用いたプラズマ処理を行う必要がある。そのため計画を一部変更する必要があるがおおむね順調に実験計画は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
プラズマ処理により被着面の分子構造が変化した可能性があり、プラズマ処理後の被着面の性状を光学的解析を行い、効果的なプラズマ処理方法を検討する必要がある。今後は窒素, アルゴン等のガスを用いたプラズマ処理による被着面の改質を行う予定である。その場合、プラズマ処理時間等の処理条件も含めて検討する必要がある。また、被着面に対するアルミナサンドブラスト処理、トライボケミカル処理の効果が認められため、処理条件等を検討する。また、シランカップリング剤および機能性モノマーについても検討する予定である。また、近年増えてきた多目的接着剤の可能性についても検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
購入を検討しているCAD/CAD用コンポジットレジンブロックの納期が遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の使用額と合わせて、実験に用いるCAD/CAM用コンポジットレジンブロックを購入する予定である。
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