2014 Fiscal Year Research-status Report
機能性ペプチドを固定化したカーボンナノ物質の歯槽骨再生への応用
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26861616
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平田 恵理 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10722019)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | カーボンナノ物質 / 国際研究者交流(フランス) / ペプチド / 骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,タンパクよりも安価で免疫反応を惹起しにくい骨誘導性タンパクに由来した低分子ペプチド(機能性ペプチド)を,カーボンナノ物質(CNMs)に結合し固定化した高機能化CNMsの開発を行う.また,このCNMsをチタンにコーティングしたデンタルインプラントを開発し臨床応用に向けた評価を行う. 1.骨誘導性低分子ペプチドを用いた各種高機能化CNMsの開発 骨誘導性低分子ペプチド(機能性ペプチド)として,bone morphogenic proteins(BMP)由来の2種類のペプチド(KIPKASSVPTELSAISTLYL,DWIVA)の合成を行った.また,目的分子の参照系としてDFMLGを合成した.これらをCNMsの一つであるカーボンナノホーン(CNHs)に結合させた高機能化CNHsを開発中である. 2.高機能化CNMsをコーティングしたデンタルインプラントの創製 本研究では,前項に述べた高機能化CNHsをデンタルインプラント材料に担持し機能性および生体親和性の高い新規バイオマテリアルの創出を行う.今回我々は,泳動電着を用いてCNMsの一つであるCNHsをチタンに吸着させた.サンドペーパーにて研磨したチタンを対極とともにCNHs分散液中に固定し,電圧をかけた.洗浄後SEM観察を行ったところ電着によりCNHsがチタン表面に均一に付着していた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに,骨誘導性タンパクの一つであるbone morphogenic proteins(BMP)由来の2種類のペプチド(KIPKASSVPTELSAISTLYL,DWIVA)の合成を行った.また,目的分子の参照系としてDFMLGを合成した.これらをCNMsの一つであるカーボンナノホーン(CNHs)に結合させた高機能化CNHを合成中である.また,本実験はフランス国立研究所,免疫細胞生物研究所(CNRS, IBMC)との共同研究であり,本ペプチドの合成はCNRSが特許を獲得している方法を用いている.本研究の打ち合わせも順調に進行している. さらに高機能化CNMsを歯槽骨再生へと応用するために,チタンインプラントへの表面修飾を検討している.これまでに,泳動電着によって,チタン表面にCNHsを付着させることが可能となった.この方法を用いて,高機能化CNHsを用いた歯槽骨再生のためのバイオマテリアルについて開発中である.
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Strategy for Future Research Activity |
合成した2種類のBMP由来のペプチドと参照系ペプチドを,クリック法などによって共有結合させることにより,高機能化カーボンナノホーン(CNHs)を作製する. また,開発した高機能化CNMsが骨芽細胞に与える影響を生化学的・遺伝子学的に分析し,骨形成への影響を評価する.また参照ペプチドと比較することにより,その効果を検索する. チタンへの表面修飾については,溶液濃度や泳動電着の電圧などの条件を検討することにより,チタン表面を均一に被覆することができると考えられる.このCNHs修飾チタンを用いて細胞培養や動物埋入試験を行い,骨芽細胞との親和性や骨形成にについて検索し,高機能化CNHsの歯槽骨再生への応用方法を検討する.
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Causes of Carryover |
平成27年3月10日からの旅費が,平成27年4月の支払いとなったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は平成27年3月10日からの旅費で,平成27年4月の支払いにあてる.
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Research Products
(3 results)