2015 Fiscal Year Annual Research Report
低強度・高周波振動骨造成法を制御するメカノトランスダクション機構の解明
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26861619
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松井 裕之 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (10547277)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨メカノバイオロジー / ERK |
Outline of Annual Research Achievements |
骨は適正なメカニカルストレスにより骨量を維持し,局所的な過剰力と脱力学的負荷に対し骨吸収を起こす.申請者はこの挙動を制御するシグナル伝達経路の解明において,骨芽細胞のMitogen-Activated protein kinase(MAPK)ファミリーであるJNK,p38およびERKを活性化する上流のMAPK kinase kinase(MAP3K)の同定を目指している.これまでに申請者はJNK, p38の上流MAP3KとしてTGF-beta-activated protein kinase-1 (TAK1)およびApoptosis signal-regulating kinase 1(ASK1)を見出している.興味深いことに,TAK1およびASK1が活性化されるメカニカルストレス条件では骨芽細胞分化は起こらず,むしろ骨吸収に関与する遺伝子の発現が制御されていた.一方,ERKが優先的に活性化する微弱なメカニカルストレス条件では,ERKの活性化は骨芽細胞分化に寄与していたが,その上流のMAP3Kは不明であった.本研究ではこれを同定することにより,MAP3Kを主軸としたメカノバイオロジカルな骨代謝制御のシグナル伝達機構を解明することを目標とした.まず,RNAiによりERK経路の上流に位置する可能性を持つ遺伝子を検出するスクリーニング系を構築した.このスクリーニング系を用い,現存する23種類のMAP3K全てに対し検討を行ったところ,3つの遺伝子を候補として検出した.さらにそのうち2つについてERK経路の上流に位置するMAP3Kとして同定した.
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