2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of facilitatory effect and neuromuscular mechanism in swallowing function induced by pharyngeal electrical stimulation
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26861630
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
真柄 仁 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90452060)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 嚥下障害 / 経頭蓋磁気刺激 / 運動誘発電位 / 末梢感覚刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究結果の課題として,炭酸水嚥下を含む末梢感覚刺激は,咽頭のみならず,口腔からの感覚入力が感覚運動野に興奮性効果をもたらしている可能性が考えられた.そこで平成28年度は,口腔への感覚刺激のみに注目した.ヒトを対象に,口腔内への定温温度刺激を条件刺激とし,口腔内への温度刺激が嚥下運動誘発に関わる大脳皮質・脳幹における神経・筋機構に対し,いかなる機序で変調をもたらすのか検証することを目的とした.神経細胞の活動性評価には、経頭蓋磁気刺激を利用した神経生理学的な評価方法を用いた. 健常被験者8名に対し,被験者に筋電位記録電極を備えたカテーテルを経鼻的に挿入し,大脳皮質から咽頭領域への下行路(皮質延髄路),およびコントロールとして短母指外転筋(皮質脊髄路)におけるMEPの刺激前のベース値の記録を行った.続いて,ペルチェ素子を備えた定温温度刺激を舌背上に置いた状態で各MEPを記録し,最後に刺激後のベース値の記録を行った.温度刺激の設定は45℃,37℃,15℃とし,各温度をそれぞれ2回ずつ行い,各試行間は5分の休息を設けた.得られたMEP波形から振幅の平均値を被験者ごとに算出し,ベース値からの変化率について反復測定分散分析を用いた要因分析を行った.結果,咽頭筋のMEPを計測した皮質延髄路において,温度を要因とした反復測定分散分析では,刺激前のベース値に比べ振幅の有意な増加を認めた(P < 0.05).一方,短母指外転筋のMEPを計測した皮質脊髄路においては,温度の変化によって変化を認めなかった. 以上の結果の要旨は,平成29年2月11日~12日に行われた口腔保健に関する国際シンポジウム,および,平成29年2月24日~25日に行われた第40回日本嚥下医学会において口演発表し,意見交換を行った.また,現在,データ数を増加し,論文投稿準備中である.
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