2014 Fiscal Year Research-status Report
メカニカルストレスを利用した高機能化歯根膜細胞シートの開発
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26861631
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加来 咲子 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (60584589)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯根膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯根膜細胞はメカニカルストレスに極めて鋭敏に反応し、その活性が賦活されることから、メカニカルストレスを応用することにより歯根膜細胞シートの高機能化が期待される。本研究はこれまでに得られた歯根膜におけるメカノバイオロジーの知見を臨床応用に活かし、歯周組織再生能の高い高機能化歯根膜細胞シートの開発を目指すものである。C57BL/6マウスより臼歯を抜歯し、outgrowth法によって歯根膜由来細胞を得た。繰返し伸展装置(ShellPa, メニコン・ライフサイエンス社製)を使用し、伸展条件の適正化を行なった。伸展条件は周波数を0.2~1Hz、持続時間は30~180min、伸展率は1~10%の間で調整し、細胞増殖能、分化能から1Hzにて1日3時間、8%の伸展率の条件を得た。現在得られたマトリックス及び、関連遺伝子発現の解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定であった条件の最適化が順調に進捗したため、現在既にマトリクスの解析を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
メカニカルストレスによる高機能化歯根膜シートの歯周組織再生能を評価するためにラット歯周組織欠損モデルを用いる。深麻酔下にて8週齢免疫不全ラット(F344/NJcl-rnu)上顎臼歯部の歯槽骨を頬側からラウンドバーにて削除し、1壁性の骨欠損を生じさせる。欠損部に静置培養の歯根膜細胞シート、または高機能化歯根膜細胞シートを充填し、口腔粘膜を縫合する。一定期間後に屠殺した後、μ-CTにて歯槽骨の回復を評価し、その後脱灰組織標本を作製して、組織学的に評価を行う。歯根膜細胞シートに含まれる細胞の分化と生存を解析するために、移植初期についても組織標本を作製し、免疫染色法によって、細胞増殖、細胞死、骨芽細胞分化に関わる分子の発現について解析を行う。
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Causes of Carryover |
マトリックス解析に必要な機器に不具合が生じ、マトリックスの解析が行えなかったためである。現在既に復旧しており、解析を開始している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の予定通りマトリックスの解析および遺伝子解析費用に使用する。
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