2015 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞ニッチという観点から見た歯槽骨創傷治癒メカニズムの解明
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26861639
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大野 充昭 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60613156)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 骨再生 / 抜歯窩 / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請は,抜歯窩の創傷治癒をモデルに,骨再生における分子生物学的幹細胞誘導メカニズムを明らかにする事を目的に計画した. 平成26年度は,抜歯窩創傷治癒部位より幹細胞の分離に成功し,細胞の表現型を骨髄由来間葉系幹細胞と比較検討することで明らかにしてきた. 平成27年度は,抜歯窩創傷治癒部位より,colony forming unit assayを用い,single細胞を単離し,細胞の表現型を解析してきた.そして,骨髄由来間葉系幹細胞と比較し,抜歯窩由来幹細胞の方が,細胞増殖能,骨芽細胞分化能が高い細胞であることが明らかとなった.また,骨髄由来間葉系幹細胞,抜歯窩由来幹細胞を骨補填材のひとつであるbeta-TCPと混和し,ヌードマウス背部皮下に移植した.その結果,両細胞群において,硬組織形成を認め,興味深いことに,抜歯窩由来幹細胞移植群において,シャーピー線維様の繊維組織が硬組織内に入り込んでいる像が観察された.更に,抜歯窩由来幹細胞をイヌ歯周病モデルに移植し,歯周組織形成能をin vivoにて検討した.その結果,細胞移植群において,セメント質,シャーピー線維様組織が再生されている像が観察された. 本研究結果より,抜歯窩由来幹細胞は,骨髄由来間葉系幹細胞と同等以上の幹細胞としての性質を持ち,さらに歯周組織再生に適した細胞を有している細胞群であることが明らかとなった.
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