2015 Fiscal Year Annual Research Report
光硬化型MPCコーティング法を用いた“汚れない補綴装置”の開発
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26861653
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高橋 那奈 昭和大学, 歯学部, 助教 (80635061)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MPC / 義歯 / バイオフィルム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は年度途中で研究助成の廃止申請したがそれまでに、2種類の実験を行った。 基礎研究としてPMBPAzポリマーを義歯にコーティングした際、義歯洗浄剤などにどの程度耐久性があるのかを検証するため、化学的耐久性試験を行った。 PMBPAzポリマーエタノール溶液中に30秒義歯表面を想定したPMMA基板を浸漬し、その後1分紫外線照射を行ったものを用意した。このコーティング基板をNaOH(アルカリ性)、HCl(酸性)、SDS(中性)それぞれへ24時間浸漬したのち、X線光電子分光分析で表面元素の解析をした。その結果、PMBPAzポリマーに特有のN(窒素)やP(リン)がNaOH、HCl、SDSに浸漬したPMMA基板にも見られたことから、それらに24時間浸漬してもPMBPAzポリマーはPMMA基板に残存していることが確認された。このことから義歯表面にPMBPAzポリマーをコーティングした場合に義歯洗浄剤等で化学的な清掃を行っても、PMBPAzによるバイオフィルム形成抑制効果は維持できることが示唆された。 また実際の患者へコーティングを行い、一定期間後にその残存状態を確認する実験も行った。(臨床実験は昭和大学歯学部医の倫理委員会による承認済み) 実験ではコーティング後1週間後と2週間後の義歯表面をプラーク染色剤で染色し、写真撮影をしてコンピューター上でプラークに反応し染色した範囲の解析をした。その結果、いずれの場合もコントロールであるコーティングしていない義歯表面の状態と比較し、1週間後の義歯粘膜面では約60%、研磨面では約45%、2週間後の義歯粘膜面では約55%、研磨面では約30%と、プラークに反応して染色した範囲が減少していた。このことから一定期間コーティングが残存し、プラーク抑制効果が維持されることが示唆された。
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Research Products
(1 results)