2015 Fiscal Year Annual Research Report
高強度セラミックスの接着におけるユニバーサルプロトコルの確立
Project/Area Number |
26861657
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中山 大介 日本大学, 歯学部, 助教 (50608700)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 接着 / ジルコニア / セラミックス / プライマー |
Outline of Annual Research Achievements |
①ジルコニアに対する物理的および化学的表面処理が接着耐久性に及ぼす影響 ジルコニアを被着体とし,アルミナサンドブラスト処理およびトライボケミカル処理を行い,プライマーとしてリン酸エステル系モノマー(MDP)およびシランカップリング剤(γ-MPTS)を用い,ジルコニアに対する物理的および化学的表面処理が接着耐久性に及ぼす影響について比較検討を行った。その結果,トライボケミカル処理によりジルコニア表面にγ-MPTSに有効かつMDPの効果を阻害するシリカ層が形成されていることが示唆された。本研究の結果は現在,論文投稿中である。 ②シランカップリング剤が二酸化ケイ素とアクリルレジンの接着耐久性に及ぼす影響 γ-MPTSは1967年にPaffenbarger GCらが,陶材に対する接着促進効果を明らかにして以降,現在に至るまで歯科において用いられるシランカップリング剤として使用されている。しかしながら,化学構造を鑑みると,中間鎖が短く,疎水性に劣ると考えられる。そこでγ-MPTSと比較し,中間鎖が長く,より高い疎水性を示すρ-MBSを用い,接着耐久性に及ぼす影響について比較検討を行った。その結果,γ-MPTSと比較し,ρ-MBSが接着耐久性の向上に有効であることが示唆された。現在は、接着界面の分析を行っており,その結果を踏まえて論文の作成投稿を行う予定である。 ③半透明ジルコニアに対する有効な表面処理の検討 ジルコニアは高い機械的強度と化学的安定性から,補綴装置として臨床応用されているが,従来の歯科用陶材と比較すると光透過性に劣る。そのため,近年、酸化イットリウムの含有量を増やし,透明性を高めた半透明ジルコニアが開発されている。しかしながら,半透明ジルコニアの接着に有効な表面処理に関する報告は少ない。そのため,半透明ジルコニアに有効な表面処理を明らかにすることを目的とし,現在実験を遂行中である。
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