2014 Fiscal Year Research-status Report
表面形状計測法を応用したインプラント前処置の骨移植評価法について
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26861663
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
坂根 瑞 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60468999)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | デンタルインプラント / 骨移植 / 3次元形状計測装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本学歯学部附属病院口腔インプラント科において上顎前歯部にインプラント埋入のための骨移植術後にインプラント埋入術を施行され、本研究の趣旨を説明し、治療のために用いた模型とCTデータの提供に同意の得られた患者10名に対し、①コントロールとして骨移植術前(初診時)②骨移植直後(1-2週間後)、③骨移植後1~1,5ヶ月後、④3ヶ月後(インプラント埋入術直前)、⑤インプラント埋入直後、⑥インプラント上部構造製作時、それぞれの口腔内を印象採得をおこない、そこから得られた歯列模型を、3次元形状計測装置Rexcan High-end scanning system(既存)にて歯列模型の表面形状計測を行った.得られた形状データは、STLデータに変換され、三次元画像検査ソフトGeomagic Qualify(Geomagic社)に入力後, 各歯列模型データとコントロールの模型データを模型間でもっとも変化の少ないと考えられる、残存歯部を基準として重ね合わせた.模型の重ね合わせ精度を評価するために、大臼歯部、小臼歯部それぞれにおいて2次元断面における偏差評価、ならびに3次元計測を行った. 移植骨量の経時的変化を評価するため、③~⑥の各模型データを②骨移植直後の模型データと残存歯を基準とした部分をベストフィット法により重ね合わせた.重ね合わせた各模型データの欠損部顎堤頂の中点を通り、咬合平面に垂直な平面を基準平面とし,基準平面上での各模型データ間の距離を、歯槽頂より3mm、5mm、10mm歯根側の各点における模型データ間距離を二次元的骨吸収量とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の過程自体は問題がないと考えられるが,上顎前歯部に骨移植後にインプラント治療を行う症例が10症例程度にとどまっているいるため,症例数が不足しているのが現状である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,診断上の必要により撮影された、初診時、骨移植後、インプラント埋入後のCTのダイコムデータを3次元画像解析ソフトGeomagic studio(Geomagic社製)を用いて三次元画像構築し、被験者の骨の立体データを得る.得られた立体データをSTLデータとしてGeomagic Qualifyに入力し、骨移植後および、インプラント埋入後のCTデータを残存歯歯冠部を基準として重ね合わせ、模型データに準じて、同一の断面における二次元的骨吸収量を算出する.また、重ね合わせたCTデータの差分の体積を求め、これを3次元的骨変化量として算出する. 模型データとCTデータから得られた規定断面での二次元的吸収量を比較検討する.模型データとCTデータの吸収量の差分は歯肉の厚みの変化、模型のひずみ等であると考えられる.模型データにおける経時的変化量とCTデータにおける経時的変化量が比例関係にあるかを評価し、必要であれば、歯肉の厚み分を相殺できる補正式を算出する. 同様に模型データとCTデータから得られた三次元的吸収量を比較検討する.模型データとCTデータの吸収量の差分は歯肉の厚みであると考えられる.模型データにおける経時的変化量とCTデータにおける経時的変化量が比例関係にあるかを評価し、必要であれば、歯肉の厚み分を相殺できる補正式を算出する.さらに、算出された骨吸収量と手術室で計測した移植骨の実際の体積と比較してどの程度吸収しているかを検討する.
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Causes of Carryover |
交付金額内で小型ハンディポータブルスキャナー(350万円)が購入できなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
小型ハンディポータブルスキャナーの代替品を検討中であり,見つかり次第購入し,速やかに研究を進める予定である.
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