2014 Fiscal Year Research-status Report
臼歯喪失ラットの咬合再構築は情動の安定をもたらすか?
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26861666
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
山本 さつき 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20399091)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 情動行動 / 不安 / 咬合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は臼歯で咬合確立する補綴処置の意義を明らかにすることである。そのために、臼歯咬合喪失が精神的ストレッサーになることを証明し、「臼歯喪失は不安という情動を惹起する」という仮説の検証を行うことを目的とした。 本年は17週齢のSD系雄性ラット18匹を用いて上顎臼歯を抜歯したグループ(抜歯群)、抜歯後義歯により咬合を回復したグループ(義歯群)、抜歯を行っていない グループ(対照群)に分けて実験を行った。 抜歯群は抜歯後4週間、義歯群は抜歯後2週間で義歯を装着し、2週間後、対照群はシャムオペ後4週間で実験を行った(21週齢時)。課題は8方向放射状迷路実験とし、1日1試行とし、15日間連続で行った。8つのアーム全ての餌を獲得するまでの正解選択数、総誤選択数、総試行時間を記録した。統計処理は統計ソフトSPSSを用いて有意水準5%で検討を行った。 実験結果、正解選択数は、実験群と実験日数に有意差を認めた正解数の平均は対照群7.3、抜歯群7.2、義歯群7.0で義歯群が有意に低かった。総誤選択数では実験日数に有意差を認めたが群間に有意差は認めなかった。誤選択数はどのグループも実験を重ねることで減少する傾向がみとめられた。試行時間は実験群、実験日数に有意差を認め、実験日数を重ねることで有意に減少した。平均試行時間は対照群で200.7秒、抜歯群179.6秒、義歯群208.9秒で義歯群が有意に長くなった。 実験の結果、17週齢ラットの臼歯を抜歯し、さらに咀嚼機能を有する義歯を装着することで8方向放射状迷路実験をおこなったところ、義歯装着群において成績の低下が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
情動行動を測定するホールボードシステムの納期が遅れたため、既存の八方向放射状迷路実験で予備実験を行った。2月にホールボードシステムが納品されたので、続けて実験を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
予備実験と同様の手順でホールボードシステムを用いて情動行動の測定を行う予定である。
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Causes of Carryover |
実験器具の納品が遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度で実験器具が揃ったため、平成27年度は速やかに実験を遂行出来る予定である。
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