2014 Fiscal Year Research-status Report
細胞賦活因子の徐放制御機構を具備した多層性ナノアパタイト-コラーゲンの開発
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26861667
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
天雲 太一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80451425)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝子導入 / ハイドロキシアパタイト / 生体材料 / プロタミン / PEI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は多層性ナノハイドロキシアパタイト-コラーゲンに遺伝子をコードしたナノリン酸カルシウム顆粒ベクターを付与させることで、遺伝子徐放制御機構を具備したナノハイドロキシアパタイト-コラーゲンスキャホールドを開発することである。生体材料上での遺伝子導入では、ベクターの生体親和性が特に重要な因子となる。 そこで、これまでに、ヒト未分化間葉細胞を用いて、様々な濃度や配列の異なるアルギニンペプチドを付与したナノリン酸カルシウムを精製し、遺伝子導入活性および細胞毒性を比較検討してきた。その結果、DNAとプロタミンとの複合体をリン酸カルシウムで保護した後、ポリエチレンイミン(PEI)もしくはプロタミンで覆った4重構造のリン酸カルシウムベクター(以下、CaP/DNAProtamine/CaP/PEIおよびCaP/DNAProtamine/CaP/Protamine)が高い生体親和性および遺伝子導入効率を示すことが分かった。特にDNA-プロタミン複合体はPEIの細胞毒性を減少させることが明らかとなった。この結果をもとに、ナノハイドロキシアパタイトーコラーゲンscaffoldに同ベクターを配合しBMP-2をコードした遺伝子導入試験を行ったところ、ともに細胞培養シャーレ上と同量のBMP-2タンパクの分泌が確認された。また、DNA量を測定したところ、CaP/DNAProtamine/CaP/Protamineで特に高いDNA量を示すことが確認された。このことからCaP/DNAProtamine/CaP/Protamineベクターを配合したナノハイドロキシアパタイトコラーゲンscaffoldは付着した細胞に対して細胞毒性の影響はなく、遺伝子導入できることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
震災よる実験施設の耐震補強やそのための一時的な移転の影響により、一部施設や設備の使用に制限があったため、それに伴う遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノハイドロキシアパタイトコラーゲンに配合するCaP/DNAProtamine/CaP/Protamineベクターの適正な配合濃度の決定する。ラット由来歯肉線維芽細胞、歯根膜由来細胞、骨髄細胞を用いた遺伝子導入効率の測定およびラット生体内での遺伝子導入による特定タンパクの局所内濃度を検討する。
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