2014 Fiscal Year Research-status Report
磁場による成長因子・細胞局所注入法と超音波照射を併用する骨膜伸展骨形成法の開発
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26861673
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
樋口 雅俊 山梨大学, 総合研究部, 医学研究員 (70436856)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨膜伸展骨形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年骨延長法は、骨の変形の修正や骨欠損部の再建、デンタルインプラント埋入のための前処置に際して新しい治療法として確立されつつある。この方法は従来の一期的手術に比べて侵襲が少なく、骨新生・骨再生という観点ではきわめて再現性が高いことからすでに臨床的にも繁用されてきた。しかし骨欠損部を骨延長で修復しようとした場合、骨欠損部断端を骨切りしてトランスポートセグメントとすることが必須であり、母床骨を骨切りするという外科的侵襲をどうしても加えることになる。また母床骨のボリュームが乏しく、トランスポートセグメントのボリュームが確保できないと、延長を行っても十分な骨形成が得られない場合もある。厳しい条件下での骨切りによってトランスポートセグメントが薄いために延長中に吸収・消失してしまうこともある。さらに、骨延長法は治療期間が長期に及ぶため、延長装置を介した感染からもトランスポートセグメントの吸収や壊死を生じるリスクをはらんでいる。本研究では、母床骨が貧弱な場合であっても骨の増生が期待できる骨膜伸展骨形成法において、骨の増生を促進させる生理活性物質を磁場を利用したDrug and Cell Delivery Systemにて定着させるとともに、骨形成をより促進させる手法として従来から導入されている超音波照射による治癒促進能を応用し、最も効果的な骨増生効果を得るための条件や手法を検討し、骨膜伸展骨形成法をより確実な骨増生法として確立させることを目的としてきた。ヒトへの応用を考慮しイヌでの実験を計画しているが、まずは超音波照射による治癒促進能を最適化するためにウサギでの予備実験を終了し、欠損部を穴の多いチタンメッシュで被覆した場合が最も骨増生効果が高く得られることが判明した。本結果をまとめ、今年度中の学会で成果報告を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウサギの顎骨を利用して予備実験を行い、超音波照射時の治癒促進効果が得られる至適条件が判明し、成果報告ができる状態になった。この結果を利用し、本来の計画であるイヌでの骨膜伸展骨形成法の確立へ移行していく準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では最終的にヒトでの骨膜伸展骨形成法の確立を目指しているため、段階的に、ウサギ、イヌの順に実験を移行していく計画である。超音波照射による治癒促進効果の至適条件が判明したことで、本来の目的である骨膜伸展骨形成法の確立に向けた実験を進めることができるため、イヌを利用し延長装置や磁場発生装置を導入していく方針である。
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Research Products
(2 results)