2014 Fiscal Year Research-status Report
歯胚発生におけるHox遺伝子の発現パターンと機能解析
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26861676
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
新川 重彦 岡山大学, 大学病院, 医員 (10727465)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯胚発生 / Hox遺伝子群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,いまだ全貌が明らかとなっていない歯の発生メカニズムを,Hox 遺伝子に着目し,本遺伝子群の歯胚発生への関わりを組織学的,細胞生物学的ならびに形態学的に解明することを目的としている. 胎生 13,14,18 日齢のマウス下顎第一臼歯歯胚において,13のHox 遺伝子が発現しており,その中でも,歯の発生のキーレギュレーターであるShhとの関連が疑われるHoxd12に注目し実験を行った.Hoxd12は四芽由来細胞においてShhの発現を誘導することが報告されており,Shhはそのプロモーター領域にHoxd12結合配列を有しているため,実際にHoxd12が結合することが知られている. そこで,ラット歯原性上皮細胞を用い,Shhおよびエナメル芽細胞分化マーカーのひとつであるAmbnとの関係を検討するため,Hoxd12遺伝子のsiRNAををエレクトロポレーション法を用いて導入した.導入効率の評価には蛍光ラベルされたコントロールsiRNAを用いた.その後,その遺伝子のノックダウンによる影響を,関連遺伝子の発現により評価,解析を行った.ノックダウン効果の判定には定量性RT-PCR法を用いて行った. 歯原性上皮細胞へHoxd12のsiRNAを遺伝子導入し,Hoxd12,Shh,Ambnの遺伝子発現量を検証した所,それぞれの遺伝子発現量は有意に抑制された.また,上皮細胞をBMP4にて刺激すると,Shh,Ambnの遺伝子発現量が促進し,同時にHoxd12遺伝子の発現も促進した. 以上のことから歯原性上皮細胞におけるHoxd12の発現がShhやAmbnの発現に関連する可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在siRNAと同時に遺伝子過剰発現ベクターを用いて,実験を行なっているが,ベクターの作製が上手くいかず,促進系の実験が進んでいない. また,器官培養の系も同時に進行中であるが,遺伝子の導入効率が悪く,条件設定に苦慮している.
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Strategy for Future Research Activity |
前述の研究目的のうち,形態学的な評価として,ノックアウトマウスを用いることを検討している.今回同定したHox遺伝子の中にはすでにノックアウトマウスが存在しているものと,そうでないものがあり,研究協力者の協力を得て,新規作製も視野に入れて進める予定である. Hox 遺伝子はクラスターを形成し,互いの機能を助け合う事が知られている.そこで,1つの遺伝子のノックダウンで効果が認められない場合は,いくつかの遺伝子を同時にノックダウンすることで対応する.ノックアウトマウスにおいてもHox遺伝子では,複数の遺伝子をノックアウトさせたマウスがすでに存在しており,作製において参考とする.
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Research Products
(1 results)