2014 Fiscal Year Research-status Report
上顎洞底挙上術後に最も新生骨形成を促進する低出力超音波パルス刺激の照射条件
Project/Area Number |
26861681
|
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
建部 廣明 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (40638293)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 上顎洞底挙上術 / 骨増生 / 動物実験 / 超音波パルス刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔インプラント手術を上顎臼歯部欠損部に適用する際に,インプラント体を埋入するための骨量が不足している場合,埋入手術前に上顎洞底挙上術が適用される.上顎洞底挙上術の治癒期間は長期にわたる.しかし,上顎洞底挙上術後の適切なLIPUS照射条件は明らかになっていない.そこで応募者は,上顎洞底挙上術後の新生骨形成促進に最適なLIPUS照射条件の検索を目的として,本研究を計画した.我々は、上顎洞底挙上術後に最も新生骨組織が形成促進する低出力パルス超音波刺激(LIPUS)の照射期間を明らかにするため実験を行った.ウサギの背鼻道を用いて上顎洞底挙上術実験動物モデルを作製した.上顎洞底挙上術後,1,3 MHzの設定で毎日LIPUS照射を行った。実験期間は1,2,4,8 週間とした。実験期間終了後,照射期間終了後,5-bromo-2’-deoxyuridine(BrdU)を屠殺前に経耳静脈投与した.実験動物屠殺後,試料を摘出し通法に従い脱灰標本を製作した.組織切片に抗BrdU抗体による免疫組織化学染色を施すことにより,増殖細胞を標識させ,各条件における,増殖細胞数をカウントすることによりBrdU標識率を算出し,各条件ごとに比較,検討を行った. その結果,1 MHzの方が3 MHzに比べて増殖細胞数が有意に高かった.さらに,LIPUS照射期間を比較すると1,2週間のLIPUS照射期間ではLIPUS照射群がLIPUS非照射群に比べ,増殖細胞が有意に多くなったのに対し,4,8週間のLIPUS照射群では,1,3 MHzともに有意差は認められなかった.今後は,1,3 MHzそれぞれの振動周波数でのLIPUS到達深度を明らかにするため,in vitroでの研究を行う.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究計画を行った結果、実験動物を用いた実験に関しては,研究計画,方法とも概ね計画書通りに進行した.実験計画での方法や,実験器具等も適切に使用することができた.また,動物実験に関するポスター発表も行ったことから,現在までの達成度としては,概ね順調に進展していると考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は今回までの研究結果の論文を執筆,出版する.さらに,動物実験で得たデータを参考にin vitroの研究も遂行し,学会にて発表を行う計画である.in vitroの研究に関しても,現時点では研究計画の変更等はない.
|
Causes of Carryover |
実験に使用する物品を購入したが,全額使用することができなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験器具と組織切片製作費等の消耗品費として全額使用予定である.
|