2016 Fiscal Year Annual Research Report
Human dental pulp cell-derived spheroids and traditional Chinese medicine for central nerve system regeneration
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26861689
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
肖 黎 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (80548256)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯髄細胞 / スフェロイド / 海馬組織 / 神経新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
傷害を受けた中枢神経組織の再生と機能回復において、神経系細胞の新生が重要な役割を果たすことが考えられる。しかし、続発の炎症反応で局所微小環境が変化され、神経細胞(主にニューロン)の新生と軸索の伸展を阻害するため、変性や損傷により破綻した中枢神経組織を修復するのは極めて困難である。 H28年度、本研究では、in vitroにおける培養マウス海馬組織の神経新生に対して、歯髄細胞由来スフェロイド(DPC-SPHDs)の促進効果を検討した。マウス海馬組織の長期培養は我々が開発したVIMA海馬分離培養法(VIMA法、特許出願検討中)で行い、神経系細胞の新生は免疫染色法及び電気生理学手法により行われた。通常培養の海馬組織(培養数日後組織中の細胞が大量死滅)に比べて、VIMA法で培養したマウス海馬組織では組織中の神経細胞は長期培養(2週間以上)で維持、増殖可能となる。 DPC-SPHDsをVIMA海馬組織と共培養した後、単独培養のVIMA海馬組織と比べて、組織内細胞が成長し、辺縁部に大量細胞の遊走が観察された。免疫染色法で確認したところ、培養海馬辺縁部に遊走した細胞はニューロンのマーカーであるbeta III Tubulinを発現することが明らかになった。また、海馬組織内部に細胞増殖マーカーのKi67を発現する細胞集団が検出され、海馬における神経系細胞の新生が示唆された。さらに、DPC-SPHDsのマーカー発現を調べたところ、共培養したDPC-SPHDsはオリゴデンドロサイトのマーカーであるO4および神経栄養因子BDNFを発現していることがわかった。これらの結果により、DPC-SPHDsは共培養のマウス海馬組織の神経細胞の新生と増殖を促進することが明らかになった。
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