2014 Fiscal Year Research-status Report
各臓器由来線維芽細胞と体性幹細胞の各種線維芽細胞由来臓器再生に関する研究
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26861691
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
川上 未有希 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教 (40707981)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 再生医療 / 細胞培養 / 体性幹細胞 / 線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
線維芽細胞は、生体内での局在やその活性によって異なる外観と性質を持つことが知られている。以前は場の理論が主張され、線維芽細胞はそれぞれ組織特異的な性質を持つ可能性が報告されていた。本研究は、その点に再注目し、各種臓器由来の線維芽細胞は各種臓器の特異性質を維持していることを仮定、各種臓器への再生医療に応用可能かまで検討することを目的としている。申請者は、唾液腺由来の線維芽細胞にて検討をスタートさせており、体性幹細胞と唾液腺由来線維芽細胞の共培養により、幹細胞が生体に生着可能な唾液腺細胞へと分化したという結果を得ている。さらに共培養による分化誘導前後において、細胞の遺伝子発現に差異を認めており、分化誘導の段階で、線維芽細胞の持つ何らかの因子が分化誘導開始のトリガーになっている可能性が示唆された。特定の因子としては検索しきれてはいないが、線維芽細胞が幹細胞の分化誘導材料と用いることができることは明らかとなった。 今後の再生医療において、線維芽細胞が分化誘導材料として用いることができるならば、生体材料のみで分化誘導過程を行うことができ、細胞の遺伝子操作あるいは人工的サイトカインなしに安全な完全自家移植の新規組織再生医療の開発に寄与できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度計画していた点において、顎顔面口腔領域で採取可能な組織由来の線維芽細胞についての検索は概ね順調に進展している。ただし、顎顔面口腔領域以外の組織由来線維芽細胞の収集が遅れていることより、多岐にわたる分野での各種臓器由来線維芽細胞について特異性の有無の比較検討も遅れている。今後各種検索と並行し、分化誘導実験およびin vivoにおける実験を遂行予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点において、顎顔面口腔領域にて採取可能な組織にて検討する限りでは、目的にて仮定した線維芽細胞を用いて幹細胞を線維芽細胞の由来臓器へと分化誘導可能と確認できている。今後、他分野の臓器を用いて線維芽細胞の特異性等を検索し、分化誘導実験およびin vivoにおける実験を遂行予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度計画をしていた、細胞の購入および論文投稿が遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該年度繰越分は、次年度に細胞の購入費および論文投稿費として使用を計画している。
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