2014 Fiscal Year Research-status Report
全ゲノムコピー数解析による口腔癌リンパ節転移の被膜外浸潤のメカニズム解明
Project/Area Number |
26861704
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
炭野 淳 東京医科歯科大学, 歯学部, 医員 (30634109)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 口腔癌 / 頸部リンパ節転移 / 全ゲノムコピー数解析 / FFPE / ECS陽性 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔癌の治療成績の向上には、予後不良因子とされる頸部リンパ節転移の制御が極めて重要であり、なかでも転移リンパ節に被膜外浸潤(ECS)を認めた症例は予後不良であることが認められている。しかしながら、ECSの詳細なメカニズムはいまだ明らかには解明されていない。今回われわれは、口腔癌原発巣のゲノム情報の解析を行うことで、頸部リンパ節転移におけるECSの新たな分類法、詳細なメカニズムの解明を図り、さらには術前にECSの予測ができないか検討を加える。 口腔癌症例のうち頸部リンパ節転移を生じたもののなかで、ECS陽性および陰性群に分け症例選択を行う。対象症例に関して、原発巣のFFPEサンプルからgenomic DNAを抽出し、それを用いてOncoScan FFPE assay (Affymetrix社)により全ゲノムコピー数解析を行う。このSNPアレイによって、各サンプルにおけるコピー数の増加/減少およびLOHを示す染色体領域の同定が可能となる。ここで得られたデータに関して、ECS陽性群と陰性群の間で比較検討することで、ECS陽性群に特異的なコピー数変異の同定を行う。ECS陽性群特異的なコピー数変異が検出された染色体領域上にコードされる遺伝子は、癌の増殖•進展•転移に関わると考えられ、それらについてFISH法、real-time PCR法、免疫組織化学染色など手法を用いて、発現•代謝解析を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、頸部リンパ節転移を生じた舌癌12症例について、それぞれ原発巣のFFPEサンプルからgDNAを抽出し、OncoScan FFPE assayによる全ゲノムコピー数解析を行ってきた。この12症例の内訳として、ECS陽性症例は10例、ECS陰性は2例と症例の選択に若干の偏りが生じてしまった。この原因として、サンプルが臨床検体であり、SNPアレイ解析に必要なgDNA量が得られるサンプルが限定される原因だと思われる。そのため、当初選択した対象症例のうち、一部の限られた症例が実際にSNPアレイ解析を行うことになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、ECS陰性症例を追加してOncoScan FFPE assayによる解析を継続して行うか(予算に限りがあるので検討が必要である。)、あるいは現在までに得られたデータから候補遺伝子を選択し、それらについて新たなコホートのなかで、免疫組織化学染色など別の手法を用いて、すでに得られたデータの妥当性の検証を行うことを予定している。
|
Causes of Carryover |
B-Aは3374円である。概ね計画通りに進んでいる。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
残金を考慮して、OncoScan FFPE assayによる全ゲノムコピー数解析の症例を増やすか、あるいは現在までに得られたデータから候補遺伝子を選択し、それらについて新たなコホートのなかで、免疫組織化学染色など別の手法を用いて、すでに得られたデータの妥当性の検証を行うことを予定している。
|
Research Products
(1 results)