2014 Fiscal Year Research-status Report
p53ノックアウト口唇口蓋裂感受性マウスを用いた口蓋裂発生メカニズムの解明
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26861708
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西川 敦 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40727583)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | p53 / 口唇口蓋裂 / 放射線照射 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん抑制遺伝子として知られるp53 遺伝子は、修復不能のDNA 障害をもつ細胞が発生初期の胎児に生じると、アポトーシスを誘導して奇形の発症を防ぐことが知られている。これまでの研究にて、高い確率で口唇裂口蓋裂を自然発生する近交系マウスであるCL/Fr 系統マウスのp53 欠失型を作製に成功した。このCL/Fr 系統p53 ノックアウトマウスを用いて放射線照射実験を行い、口唇裂口蓋裂発生とp53 遺伝子の関連性について解析を行ったところ、p53ノックアウトマウスにおいて有意に口蓋裂の発生が少なく、p53 遺伝子は口蓋裂発症関連遺伝子であることを示した。 このモデルマウスを用いて行う今回の実験の目的は大きく二つあり、口蓋裂発生に影響するp53 遺伝子による細胞増殖制御に関連する遺伝子の同定と、口蓋裂発生におけるp53 遺伝子による細胞増殖制御に関連する遺伝子発現の組織学的解明である。前者の遺伝子同定を、妊娠マウスに放射線照射後、胎仔を処理しp53 遺伝子型を確認後、Western blottingを用いてp53 遺伝子およびその下流遺伝子のタンパク発現量を定量することをすすめている。現在、使用するp53(+/-) CL/Fr マウスの雌雄による凍結受精卵を胚移植し、妊娠マウスを準備し、まず放射線照射なしで、個体を発生させ、Western blottingの条件を検討しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
倫理委員会などの実験開始までの手続きの遅延
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Strategy for Future Research Activity |
今後は実験の遅延を取り戻すためにも、研究の大きな二つ目的である①口蓋裂発生に影響するp53 遺伝子による細胞増殖制御に関連する遺伝子の同定と、②口蓋裂発生におけるp53 遺伝子による細胞増殖制御に関連する遺伝子発現の組織学的解明を並行して行っていく。 具体的には①を行いながら、同時に形態組織学的観察を行い口蓋裂発生の形態的観察を行う。また、TUNEL染色によってアポトーシスの発生部位を確認する。①の関連する遺伝子の同定と並行して、免疫組織学的にもp53に関連する遺伝子発現状況を確認する。
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Causes of Carryover |
2014年度は動物実験の開始が遅れたため、予定通りに予算執行できず、次年度に繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、実験を進めるうえで、実験機材や材料の購入費や、学術大会での発表、打ち合わせなどの旅費、発表費、論文投稿費に使用を予定
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Research Products
(2 results)