2015 Fiscal Year Annual Research Report
p53ノックアウト口唇口蓋裂感受性マウスを用いた口蓋裂発生メカニズムの解明
Project/Area Number |
26861708
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西川 敦 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40727583)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 口蓋裂 / p53 |
Outline of Annual Research Achievements |
口唇口蓋裂の感受性におけるp53の機能を検索するために、口蓋形成におけるp53のmRNA発現パターンを検索した。口蓋形成に重要な5つのステップである、口蓋突起のinitiation、口蓋突起の尾側への進展、口蓋突起の舌上への挙上、口蓋突起の水平方向への進展、正中での口蓋突起の癒合の全てのステージで、p53の発現が確認された。いずれのステージでも口蓋突起の先端での発現であったが、口蓋突起のinitiationでは近心の口蓋突起に、口蓋突起の水平方向への進展時には遠心の口蓋突起に限局した発現を認めた。口唇にもp53の発現が確認され、口蓋突起での発現と同様に、胎生14.5日に限局した発現を確認した。それらの発現領域と、CL/Frマウスで認められた口唇口蓋裂発生部位との間に強い相関性が認められた。また、CL/Frマウスへの放射線照射によって引き起こる裂は、口唇裂と口蓋裂の両方が誘発されるもの、口蓋裂のみが引き起こされるものに大別された。それぞれの欠損の発生率は、p53を欠損したCL/Fr; p53(+/-)において、減少していた。以上の結果から、p53の口唇・口蓋形成における機能が確認された。
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