2014 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌における光機能性プローブによるin vivo微小がん検出
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26861710
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
嶋根 哲 信州大学, 医学部附属病院, 助教(特定雇用) (80714469)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | gGlu-HMRG / 口腔扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
信州大学医学部附属病院特殊歯科口腔外科で口腔扁平上皮癌と診断された患者を対象とし、切除標本にHMRGを塗布した。蛍光発現をin sivo imager(Night owl12)にて撮影し、病理学的診断と比較した。対象とした検体は28例となった。蛍光発現と病理学的診断と比較した結果28例中ほとんどの症例で蛍光発現部位と癌細胞との一致がみられた。 免疫科学的手法ではgGlu-HMRGと結合するGGTを用いてGGTのサブタイプ5種類で比較検討した。(GGT1,GGT2,GGT4,GGT7,GGTLA1)現在まで上記症例のうち11例の免疫染色を行い検討した結果GGTのサブタイプのうち、癌細胞に対してGGT1には全く反応がみられず、GGT4とGGTLA1には明らかな反応がみられた。 当科で入手している口腔癌細胞株(SAS,Ca9-22,HSC2,HSC3,SquuA,SquuB)と正常表皮角化細胞を培養し蛍光抗体染色法によりHMRGの蛍光染色を行い、その蛍光強度を比較した。その結果正常表皮角化細胞よりも口腔癌細胞株の方が明らかに蛍光強度が高い発色がみられた。 GGT活性を有するタンパク質をウエスタンブロット法で発現量を検討した。現在までの結果ではウエスタンブロット法によるバンドの検出がうまくいっておらず、今後の実験の検証が必要である。 以上の実験より得られた結果を整理し、国内の学会(第52回日本癌治療学会学術集会)、海外の学会(96th AAOMS Annual Meeting ; American Association of Oral and Maxillofacial Surgeons)で発表を行った。また現在までの結果について現在英論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
gGlu-HMRGを用いた口腔扁平上皮癌の生体染色について、検体は28例得られ、統計学的に比較可能な症例は集まっている。また培養細胞を用いた蛍光の比較検討も十分な検討が終了している。しかし、マウスへ移植しての検討がまだ十分行われていないため、論文への発表は可能だが、追加で行うべき実験(ウエスタンブロット法、PCR法)は残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
GGTのサブタイプを用いた免疫染色の症例数が少ないため、現在取得している検体を用いて免疫染色の症例を増やし、検討を行う必要がある。 またウエスタンブロット法、定量的PCR法によるGGT抗体の検討を行う。 口腔扁平上皮癌細胞株を免疫不全マウスの舌に移植し、得られた検体を用いてgGlu-HMRGを塗布し蛍光強度を比較する。
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Causes of Carryover |
当初計画で見込んだ額よりも安価に研究が進んだため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は平成27年度に消耗品費と合わせて使用する。
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