2014 Fiscal Year Research-status Report
患者由来iPS細胞を用いたFGFR3病の病態の解明と治療法の探索
Project/Area Number |
26861716
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 晃弘 京都大学, iPS細胞研究所, 研究員 (00636855)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 軟骨 / 骨系統疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主たる目的は難治性骨系統疾患の一つであるFGFR3病(タナトフォリック骨異形成症および軟骨無形成症)の病態解明とその治療法の探索である。FGFR3病は胎生期において軟骨組織の形成異常を生じ、その結果、頭蓋骨の変形や低身長などの骨格形成障害を引き起こす疾患である。現在、様々な候補薬剤があるが、実際に臨床に使用されてはいない。そこで本研究では患者由来のiPS細胞を樹立し、軟骨細胞への分化誘導を行い、病態をin vitroにて再現するとともに、疾患特異的軟骨形成異常を改善する薬剤および遺伝子を探索する。さらに疾患モデルマウスを用い、その薬剤の効果を確認する研究である。 平成26年度中は、ヒトiPS細胞より軟骨細胞および軟骨組織への分化誘導法の確立を行い報告した(Yamashita et al. Stem Cell Reports 2015)。さらに、FGFR3病患者の線維芽細胞よりiPS細胞を樹立し、軟骨細胞への分化誘導を行った。その結果、FGFR3病患者由来iPS細胞株では軟骨形成が認められず線維性に富んだ組織を形成した。スタチンを添加することにより、軟骨形成異常が改善した。さらにスタチンをFGFR3病疾患モデルマウスに投与すると、骨が伸長した。つまり、スタチンがFGFR3病の治療薬になる可能性を示し報告した(Yamashita et al. Nature 2014)。 以上、平成26年度中はFGFR3病患者由来iPS細胞を用い、疾患特異的軟骨形成異常を改善する薬剤としてスタチンが効果的であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の主たる目的は患者由来iPS細胞を用い、FGFR3病の病態解明とその治療法の探索である。平成26年度中はFGFR3病の治療薬としてスタチンが有効であることを疾患iPS細胞モデル(in vitro)および疾患モデルマウス(in vivo)にて確認した。そのため本研究課題の主たる目的は達成したと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
スタチンがFGFR3病の軟骨形成異常を改善することを明らかにした。しかしながら、そのメカニズムが解明されていない。スタチンはコレステロール値を下げること、またGタンパク阻害剤としての作用も知られている。これらの関連を明らかにすることにより、FGFR3病におけるスタチンの効果のメカニズムを明らかにする。
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[Journal Article] Modeling type II collagenopathy skeletal dysplasia by directed conversion and induced pluripotent stem cells2015
Author(s)
Okada M, Ikegawa S, Morioka M, Yamashita A, Saito A, Sawai H, Murotsuki J, Ohashi H, Okamoto T, Nishimura G, Imaizumi K, Tsumaki N.
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Journal Title
Hum Mol Genet.
Volume: 24
Pages: 299-313
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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