2014 Fiscal Year Research-status Report
CXCR4標的分子mGluR5を介した口腔癌の転移機構におけるmiR-30の役割
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26861725
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
栗林 伸行 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80617332)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | mGluR5 / miR-30 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは、SDF-1/CXCR4システムが口腔癌の転移に重要であることを報告してきた。その中で、cDNAマイクロアレイ法によりSDF-1/CXCR4システムの下流に存在する遺伝子としてmetabotropic glutamate receptor (mGluR) 5を同定した。しかしながら、SDF-1/CXCR4システムを介したmGluR5の発現調節機構は明らかではない。近年、マイクロRNA(miRNA)が様々な癌の伸展に関与していることが明らかにされている。今回われわれは、mGluR5の発現誘導に関与するmiRNAについて検討した。CXCR4を高発現しておりリンパ節転移能を有する口腔癌細胞株であるB88細胞と、外因性にSDF-1を処理したB88細胞のmiRNAの発現を、miRNAマイクロアレイにより比較検討した。その結果、外因性にSDF-1処理したB88細胞は、mGluR5 に対する予測seed 配列を有するmiR-30 familly 5種すべての発現を低下させた。さらに、これらのmiR-30 famillyにおけるマイクロアレイの結果を定量性PCRにて検証したところ、SDF-1処理したB88細胞において、miR-30 familly 5種すべてにおいて発現の低下を確認した。さらに、miR-30 famillyがmGluR5の発現に与える影響として、miR-30 familyを過剰発現させ、定量性PCRにて検討したところmiR-30a,cを過剰発現させたSDF-1処理したB88細胞はmGluR5の発現を抑制していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度若手研究(B)研究計画調書に従い実験を進めており、平成26年度の計画に遅れることなく実験を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
・miR-30 のseed 配列を含むmGluR5 の3’-UTRをluciferasereporter ベクターに挿入する。作製したreporter ベクターをB88 細胞にtransfection し、SDF-1刺激時のluciferase 活性を測定する。・B88 細胞にmiR-30 発現ベクターを導入し、安定発現株を作製する。定量性PCRにてSDF-1 処理した際のmGluR5 の発現抑制を確認する。安定発現株のSDF-1 刺激時の細胞遊走能をコントロールと比較する。安定発現株をヌードマウス咬筋内に移植し、リンパ節転移の抑制を確認する。
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Causes of Carryover |
前年度に引き続き、・miR-30 のseed 配列を含むmGluR5 の3’-UTRをluciferasereporter ベクターに挿入する。作製したreporter ベクターをB88 細胞にtransfection し、SDF-1刺激時のluciferase 活性を測定する。・B88 細胞にmiR-30 発現ベクターを導入し、安定発現株を作製する。定量性PCRにてSDF-1 処理した際のmGluR5 の発現抑制を確認する。安定発現株のSDF-1 刺激時の細胞遊走能をコントロールと比較する。安定発現株をヌードマウス咬筋内に移植し、リンパ節転移の抑制を確認する実験を行うため使用額が生じた。さらに上記実験の学会発表および論文掲載のため使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
reportor ベクターの作製のため研究経費を必要とする。次いで、miR-30 安定発現株の作製に際し、miR-30 発現ベクターおよびLipofectamin 等を使用するため研究経費を必要とする。加えて、実験動物の購入、マウスの飼育料が必要である。研究成果は、上述の学会に出席発表し、国際雑誌にも投稿予定とするため、学会旅費と論文校正費、論文掲載料が必要とされる。
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