2014 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌に発現する新規バイオマーカーRCAS1の機能解析と臨床応用
Project/Area Number |
26861730
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
豊嶋 健史 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20546569)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | RCAS1 / 口腔扁平上皮癌 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
RCAS1は口腔扁平上皮癌(OSCC)において発現しており,免疫組織学的に腫瘍浸潤リンパ球(TIL)にアポトーシスを誘導していることが証明されたことから,RCAS1がOSCCのバイオマーカーとして有用であるという仮説をたてている. 本研究では,まずin vitroでOSCC細胞におけるRCAS1の発現動態と機能について解析し,次にRCAS1がOSCCのバイオマーカーとして有用であるかを臨床的に検討することを目的としている.そのために,①OSCC由来細胞における膜型および分泌型RCAS1の発現動態を検索する ②OSCC由来細胞が発現するRCAS1によるアポトーシス誘導能について検討する ③膜型,分泌型RCAS1がどのようにアポトーシス誘導能に影響するかを検討する ④OSCC患者の血清中のRCAS1値と臨床病理因子および臨床経過との関連を検索する という4項目を具体的に挙げている. 初年度には①を実施する予定だった.実際には,OSCC由来細胞株であるHSC-2, HSC-3, SQUU-A, SQUU-Bを培養皿に付着させた後4日間培養を行った.膜型RCAS1の検索は付着完了時に行い,分泌型RCAS1の検索は付着完了時から1,2,3,4日後に行った.Flow cytometry法,Dot blot法,ELISA法を用いて膜型,分泌型RCAS1の発現を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
OSCC由来細胞株であるHSC-2, HSC-3, SQUU-A, SQUU-Bを培養皿に付着させた後4日間培養を行った.膜型RCAS1の検索は付着完了時に行い,分泌型RCAS1の検索は付着完了時から1,2,3,4日後に行った.Flow cytometry法,Dot blot法,ELISA法を用いて膜型,分泌型RCAS1の発現を確認した. これは当初の計画通りの進行具合であり,また結果も今後につながるものであることから,概ね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の予定は以下の通りである. ②OSCC由来細胞が発現するRCAS1によるアポトーシス誘導能について検討する:OSCC由来細胞株HSC-2, HSC-3, SQUU-A, SQUU-Bを標的細胞であるRCAS1受容体を持つ白血病細胞株K562と日間共培養する.K562のアポトーシスの検索は付着完了時から1,2,3,4日後にFlow cytometry法を用いて行う. ③膜型,分泌型RCAS1がどのようにアポトーシス誘導能に影響するかを検討する:まず,OSCC由来細胞にsiRNAを導入してターゲットであるRCAS1遺伝子をノックダウンして,膜型および分泌型RCAS1の発現が消失することをFlow cytometry法とELISA法で確認する.次にRCAS1の発現動態によるK562のアポトーシス誘導能への影響を確認するために以下の3群を用意して共培養を行い,膜型,分泌型RCAS1によるアポトーシスの程度をFlow cytometry法で測定する. ④OSCC患者の血清中のRCAS1値と臨床病理因子および臨床経過との関連を検索する:RCAS1がOSCCのバイオマーカーとして有用であるかを検討するために,OSCC患者の末梢血を経時的(術前、術中、術後、定期的な経過観察時)に採取し分泌型RCAS1値の測定を行い,臨床病理因子との相関を検討する.またin vitro実験系で,OSCC患者の血清中のRCAS1によるK562の増殖抑制効果を確認する.
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Causes of Carryover |
以前の研究の延長であることから,細胞株は所持しておりあたらに購入する必要がなかった.また,培養に関する器具や試薬なども有していたことによる.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は学会発表,論文投稿などの機会が増加することが予想されることより,使用可能と考える.
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