2014 Fiscal Year Research-status Report
摂食による抗不安作用:PrRP-オキシトシン回路仮説の検証
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26861747
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
山下 雅子 自治医科大学, 医学部, 臨床助教 (70569946)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オキシトシン / プロラクチン放出ペプチド産生ニューロン / 摂食 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
摂食によりストレス反応が緩和される。しかし、その神経機構は不明な点が多い。一方、摂食すると延髄のプロラクチン放出ペプチド産生ニューロンと視床下部のオキシトシン産生ニューロンが活性化されると報告されている。また、オキシトシンを投与すると不安行動が減弱するという報告がある。これらのデータから、「摂食すると、延髄プロラクチン放出ペプチド産生ニューロン―視床下部オキシトシン産生ニューロン回路が賦活化され、その結果、ストレス反応が緩和される」という仮説を考えた。本研究の目的は、①摂食の実験系を構築すること、②摂食の実験系と、プロラクチン放出ペプチド遺伝子欠損マウスあるいはオキシトシン遺伝子受容体欠損動物を用いて本仮説を検証することである。 摂食により視床下部のオキシトシン産生ニューロンが活性化することが確認された。さらに、この摂食による視床下部のオキシトシン産生ニューロンの活性化はプロラクチン放出ペプチド受容体欠損動物において阻害されていた。これらのデータは、摂食するとプロラクチン産生ニューロンが活性化され、その結果、オキシトシン産生ニューロンが活性化されるという仮説に合うものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで得られたデータは、仮説に合致している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はオキシトシンあるいはプロラクチン放出ペプチドのストレス反応における役割を検証する実験を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
年度末の決算までに請求が間に合わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費などに使用予定。
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