2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mastery of treatment resisitant cancer stem cells in oral squamous cell carcinoma
Project/Area Number |
26861748
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
梅村 直己 朝日大学, 歯学部, 助教 (80609107)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔がん / がん幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は口腔扁平上皮癌のがん幹細胞マーカーの一つであるCD44と口腔扁平上皮癌の治療抵抗性との関係を明らかにし、CD44の役割とそのメカニズムを解明することで口腔扁平上皮癌の治療抵抗性の克服を目指すものである。 当初、我々は口腔扁平上皮癌細胞株からCD44ノックダウン細胞を作成し、親細胞株とCD44ノックダウン細胞との比較を行った。その結果、親細胞とCD44ノックダウン細胞には細胞増殖速度に有為な差はなかった。その一方でCD44ノックダウン細胞は薬剤に対する感受性が上がりアポトーシスに誘導されやすくなった。 一方、我々は多剤耐性株を作成し、親細胞株と比較検討した。その結果、多剤耐性株は細胞増殖速度がやや遅くなり、細胞周期解析においてG1期の割合が有意に増加していた。またがん幹細胞マーカーであるCD44の発現が増加しており、薬剤によるアポトーシスへの抵抗性とCD44の発現の関連が示唆された。また癌細胞の薬剤排出ポンプ(ABCトランスポーター)として知られるABCG2の発現が上昇しているのをウエスタンブロッティング法にて確認し、薬剤排出能も上昇していることを薬剤排出機能解析で明らかにした。これらのことから、がん幹細胞マーカーであるCD44は薬剤排出機能の亢進と関連していることが示唆された。 我々の研究により、がん幹細胞マーカーであるCD44は細胞周期のG1期の割合を増やし、一方で薬剤排出ポンプであるABCG2を誘導することで化学療法剤への抵抗性を保持している可能性があることが示唆された。
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