2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26861749
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
福島 洋介 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (40364765)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 味覚障害 / stress response system / CRH pathway |
Outline of Annual Research Achievements |
心因性味覚障害などの歯科心身症の病態について分子レベルでの解析は行われておらず、有効な治療はいまだ確立されていない。近年、個々の器官において、局所のストレス抵抗性機構であるstress response systemが存在することが提唱されている。これは器官を校正する細胞がCorticotropin-Releasing Hormone (CRH) pathwayを有しストレスに抵抗しており、その機構の破綻により病態がひきお壊れるという考え方がある。われわれは、歯科心身症において最も症状が出現しやすい舌において、stree response systemが存在し、その破綻がストレス性味覚障害などの歯科心身症に関連するとの仮説を立てた。まず舌にCRH pathwayが存在するかどうかを検討した。Adrenocorticotropic hormone (ACTH)受容体欠損マウス(MC2R KOマウス)とその野生型同腹子の舌組織のRNA採取を行い、CRH pathway関連遺伝子の発現をqPCRで検討した。コントロールと比較してMC2R KOマウスの舌にCRHのmRNA発現が上昇していた。一方で、CRH受容体、ACTH前駆体のPOMC、糖質コルチコイド受容体の発現に変化はなかった。舌においてstress response systemを構成するCRH pathwayが存在する可能性が示唆された。CRH KOマウスについては系統維持が困難となったため実験を中止した。また、MC2R KOマウスでの副腎除去による局所CRH pathway破綻マウスの作製については、副腎除去により死亡するマウスが多く、サンプル数を確保でくないため不能であった。本年度は、野生型マウスにおいてCRH pathway関連遺伝子の発現に関して舌と副腎と比較するためにリアルタイムPCRを用いて検討した。舌においてCRHR1およびNc3r1遺伝子の存在が示唆された。
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