2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establish of minimally invasive treatment method for neuropathic pain relief
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26861758
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
大郷 英里奈 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (50707073)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / 低出力レーザー治療 / 歯科用レーザー / 疼痛緩和効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経障害性疼痛は難治性であり自然治癒は期待できない。これまでこの異常疼痛に神経ブロック療法や薬物療法が行われてきたが、悪心やふらつき等の副作用が現れることが多いという数多くの臨床報告があるのに対して、近年、副作用がほとんどなく疼痛緩和に有効であるとされるのが、レーザーを用いた低反応レベルレーザー治療 (Low reactive Level Laser Treatment;LLLT)である。しかしその疼痛緩和機序の解明に関する基礎的研究はほとんどない。本研究の目的は、歯科用レーザー照射におけるLLLTの疼痛緩和効果の神経化学的機序を明らかにし、簡便で副作用の少ない治療法を確立することである。 神経障害性疼痛モデルラットを用いて、半導体レーザーの低出力レーザー治療(以下LLLT)の中枢神経系に及ぼす影響について研究を行った。下歯槽神経損傷後毎日LLLT照射を患部に行い、術後1日、3日、5日、7日、14日、28日における疼痛閾値の変化をVon Frey filamnetを用いて調べた。同様に下歯槽神経損傷後処置なし群と擬似手術群、擬似手術群+LLLT照射群も行動学的検討を行い、比較検討した。結果、下歯槽神経損傷群は術後3日目から有意に疼痛閾値の低下が認められたが、下歯槽神経損傷+LLLT照射群は疼痛閾値の低下が認められなかった。 擬似手術群、擬似手術+LLLT照射群も同様に疼痛閾値の低下が認められなかった。免疫組織学的検討において、下歯槽神経損傷後と擬似手術後3日目と下歯槽神経損群+LLLT照射群は下歯槽神経損傷群に比べて有意にIba1の発現増加を認め、LLLT照射が三叉神経脊髄路核のIba1の発現に何らかの影響を与えている可能性が示唆された。
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