2014 Fiscal Year Research-status Report
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26861759
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
岸本 直隆 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (50610911)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脱分化脂肪細胞 / 唾液腺再生 / 細胞移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
大阪歯科大学附属病院における口腔外科手術時に切除され、術後廃棄予定の頬脂肪体約1gから天井培養法を用いて脱分化脂肪細胞(dedifferentiated fat cells: DFAT cells)を樹立した。またC57BL/6-Tg(GFP)マウスから全身麻酔下に鼠蹊部より脂肪組織約1gを採取し、同じく天井培養法を用いてDFAT cellsを樹立した。両者を凍結し、必要に応じて解凍、増殖させ細胞移植に用いる予定である。現在は放射線照射による唾液腺障害モデルマウス作成のため、適切な照射線量や照射部位の検討を行っている。それらと並行し、マウス唾液腺への細胞注入の手技、または尾静脈からの注入手技の確立も進めている。 ヒト頬脂肪体由来DFAT cellsに関してはフローサイトメトリーによる評価を行い、細胞表面抗原解析を行った。ヒト頬脂肪体由来DFAT cellsはSTRO-1、CD44、CD90、CD105、CD166陽性であり、CD146、CD19、CD45陰性であった。申請書にはヒト頬脂肪体由来DFAT cellsまたはイヌDFAT cells移植のみ記載していたが、移植された細胞の追跡が容易であり、また組織再生能がドナー由来、ホスト由来のどちらの細胞によるものかを評価できることからGFPマウス由来DFAT cellsを樹立した。今後はこれらの細胞を障害唾液腺へ移植し、DFAT cellsによる唾液腺再生能を評価していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト頬脂肪体由来DFAT cellsとGFPマウス由来DFAT cellsの樹立を行った。さらにヒト頬脂肪体由来DFAT cellsに関してはフローサイトメトリーにて細胞表面抗原の解析まで完了している。また細胞移植に向けて動物実験の手技も確立中である。
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Strategy for Future Research Activity |
放射線照射による唾液腺萎縮モデルを適切に作成するため、照射の条件を検討する。その後細胞移植とその評価(免疫組織化学、H-E染色など)の実施を行う。
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Causes of Carryover |
モデル動物作成が予定より少し遅れた関係で動物購入、飼育にかかる費用が少なったこと、またDFAT cells移植後の唾液腺再生能の評価にかかる費用(免疫組織化学やH-E染色に必要な試薬、物品の費用)が予定よりも少なかったことが理由と考える。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記で記載した動物購入、飼育にかかる費用、免疫組織化学やH-E染色に必要な試薬、物品の費用に平成26年度からの繰り越し分を充てる。また平成27年度予算に関しては申請書通り実験動物購入費、組織培養関連費、分子生物学実験試薬購入費に充てる。
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