2015 Fiscal Year Annual Research Report
粘膜類天疱瘡とBP180 C末端部との関連検討および新規診断法への応用
Project/Area Number |
26861762
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安河内 篤 九州大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (30724968)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯学 |
Outline of Annual Research Achievements |
粘膜類天疱瘡(MMP)は口腔粘膜を始めとする粘膜組織優位に水疱症を引き起こす自己免疫性水疱症の一つである。同疾患では粘膜組織の表皮真皮間結合部に自己抗体が沈着し同部の結合が障害され水疱を生じるが、未だ明確な標的抗原は明らかとなっておらず、臨床学的所見、血清学的所見、病理学的所見等を総合して、診断しなければならない。本研究では、これまでMMPとの関連性が指摘されている BP180C末端部領域に着目し、同抗原タンパクを用いたより簡便で確実なMMPの新規診断法の開発を行い、同抗原が本疾患に特異的因子であるか否かを、多数のMMP患者血清を用いて検討した。また、同時に多数のMMP患者情報の臨床学的統計を行い、MMPの臨床学的特徴を検討し、迅速な診断と的確な治療を目指すべく遂行した。 最終年度である今年度は、昨年度に開発したBP180C末端部分に対する自己抗体を検出可能なELISA(BP180C-ELISA)を用いてMMP患者およびその他の自己免疫性水疱症患者血清中の自己抗体を測定した。従来から水疱性類天疱瘡の診断に用いられているBP180 NC16a-ELISAに対する陽性率は27.7%と低かったのに対し、BP180C-ELISAの陽性率は49.3%と約半数に達し、その陽性率は他の自己免疫性水疱性患者に比べて高かった。また、332のMMP 患者情報の臨床学的統計の結果、MMP発症者の男女比は約2:3と女性に多く、口腔粘膜に優位に発症していた。また、治療法についてはステロイドの内服投与が多数であったが、テトラサイクリン/ミノサイクリン、サルファ剤(DDS)が有効な場合があることが明らかとなった。 これらの研究結果からMMPの血清学的特徴および臨床学的特徴が明らかとなった。また、BP180C-ELISAがMMPの新規診断法として有効である可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Granular C3 Dermatosis.2016
Author(s)
Hashimoto T, Tsuruta D, Yasukochi A, Imanishi H, Sekine H, Fujita T, Wanibuchi H, Gi M, Karpati S, Sitaru C, Zone JJ, Endo D, Abe S, Nishino T, Koji T, Ishii N.
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Journal Title
Acta Derm Venereol.
Volume: 0
Pages: 0
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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