• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Research-status Report

顎顔面発生におけるエピジェネティック制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 26861773
Research InstitutionTokyo Medical and Dental University

Principal Investigator

東堀 紀尚  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50585221)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords先天性疾患 / 口蓋裂 / エピジェネティック / ヒストンメチル化酵素
Outline of Annual Research Achievements

先天性疾患には、遺伝的要因と環境要因との相互作用によって発症する多因子疾患が多数存在する。近年、環境因子がエピゲノムの情報を変えることにより、疾患が引き起こされることが報告されているが、顎顔面領域における先天性疾患とエピゲノムについての報告は少ない。そこで、エピゲノムの変化を修飾する酵素であるG9aの顎顔面領域における役割を解明することにより先天異常の発症原因の解明、予防法の開発等の臨床応用への基盤となる研究となることを目的とし、以下の成果を得た。
G9afl/flマウスとWnt1-Cre LoxPシステムを用い、顎顔面形態異常の有無をパラフィン切片を作製し、解析した所、すべてのコンディショナルノックアウトマウスに骨の低形成を呈していた。頭蓋の大きさは野生型と比較し小さく、増殖能に異常が生じていることが示唆されている。現在は、BrdUを屠殺前に添加し、増殖能の検討およびアポトーシスに異常が生じていないかを検討中である。E13.5においては増殖能が減少している傾向があった。
またin vitroの実験として、前準備として頭蓋骨から骨芽細胞を採取した。また、E11.5の上顎突起から間葉細胞飲みを採取し、micromass培養を行い、Alcian RedおよびAlcian Blue 染色を行った。軟骨・骨の形成能に以上はないものの、増殖能が落ちれいるような所見を得られた。
現在は、頭蓋骨から採取された細胞を用い定量的RTPCRを行う準備を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度の実験実施計画は主にG9aコンディショナルノックアウトマウス(G9a CKO)の骨低形成の詳細な表現形解析、G9a CKO細胞の増殖能・アポトーシスの検討、G9a CKOの分化マーカーの変化を検討することである。組織切片を用いた実験より、骨の低形成が認められた。軟骨には大きな変化が認められなかった。以上より、第一の目標にはほぼ到達できたと考えられる。
増殖能およびアポトーシスに関しては、各ステージを詳細に検討する必要はあるが、少なくともE13.5においては増殖能が低下していた。アポトーシスに関しては今後検討する予定である。今後は、他のステージにおいても検討が必要と考えている。
G9aの影響を詳細に観察するためには、CKOマウスから採取するだけでは量が足りないため、野生型マウスから細胞を採取し、G9aの阻害剤であるBIX01294を添加し、同様な表現形が出るかの検討を行っている。採取する細胞は、骨芽細胞および上顎突起の間葉細胞である。採取した細胞量は、今後の実験に対し、十分量あることを確認した。しかしながら、BIX01294の副作用の有無が不明であること、酵素活性が十分阻害されているかが不明であるため、検討が必要である。また、同実験系は、今後分化マーカーの遺伝子発現やクロマチン免疫沈降法を検討する上でも使用する予定であり、十分に検討を行う必要があると考えており、やや想定していた進行具合よりは遅れている。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度に達成できなかった、増殖能・アポトーシスの有無の検討を継続し、さらにin vitroの実験系の確立を最優先事項とする。実験系の確立後、その条件下で以下計画を考えている。
1.分化マーカーの変化について:G9aの阻害剤BIX01294を用いて酵素活性が阻害された骨芽細胞もしくは上顎突起から採取した間葉細胞を用いて、骨芽細胞分化マーカーに変化がないかを定量的RTPCRで検討する。
2.G9aの標的遺伝子、non coding RNAの特定:1.と同様の細胞からmRNAを抽出し、マイクロアレイ法を用い遺伝子発現の強弱をコントロールと比較、特定する。特定された遺伝子、non coding RNAは定量的RTPCRにて確認する。当初、G9a CKOマウスからの採取を考えていたが、まずはin vitroの系で行う。
3.上昇した因子を強発現させその表現形を1.の細胞の表現形および遺伝子発現を比較、検討する。
4.G9aによる標的遺伝子の発現制御メカニズムを検討:転写開始点を含む特定された因子のプロモーター領域をレポーターベクターに組み込んだものおよびそのディリーションタイプのそれぞれとG9aをトランスフェクションし、G9aの結合領域の範囲の特定を行う。その後、特定領域を挟むように設計したプライマーを用い、マウスから採取した間葉細胞および骨芽細胞でのG9aの標的遺伝子のプロモーターへの結合をクロマチン免疫沈降法にて確認する。

Causes of Carryover

平成26年度中に定量的RTPCRを行う予定であったが、やや遅れが生じているため、定量的RTPCRを行う際必要な消耗品購入を行わなかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成27年度に定量的RTPCRを行うため、その際に必要な消耗品を購入する。

URL: 

Published: 2016-06-01  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi