2014 Fiscal Year Research-status Report
舌の発生分子機構解明の基盤研究~一次繊毛からの解析~
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26861779
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川崎 勝盛 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (40529640)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 舌 / 一次繊毛 |
Outline of Annual Research Achievements |
摂食嚥下、構音、味覚などの舌が関わる重要な機能を手術により再建することは不可能であり、再生療法の確立が求められているものの、舌の発生メカニズムすら十分解明されていないのが現状である。一次繊毛の機能不全により引き起こされる繊毛病の多くで、舌の先天異常が報告されているが、舌発生における一次繊毛の機能は明らかでない。 本研究は様々な機能を有することが明らかとなってきた一次繊毛の舌発生における機能の解明を目的としている。 予備実験で認められた舌の欠損について、全てのIft88欠損マウスが表現型として有していることを確認した。さらに舌における異所性の骨および脂肪の形成について、全てのOfd1欠損マウスが表現型として有していることを確認した。 また、R26Rマウスを用いて、舌発生期間中の神経堤由来細胞および外胚葉由来細胞の局在部位の把握が完了した。 さらに、acetylated-a-tubulinの免疫染色により、舌発生期間中の一次繊毛の局在部位を特定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組織特異的遺伝子欠損マウスで認められる異常の発現頻度は、実験デザインに大きく影響する。本年度までの実験結果から、全ての欠損マウスで異常が認められたことは、全ての胎仔でその異常の検索が可能であることを意味し、今後の実験で非常に有利となる。また、各細胞の局在は、研究の標的部位を決定する上で極めて重要な情報であり、その確定は今後の研究遂行に大きな意味を持つ。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に継続して、Ift88およびOfd1欠損マウスの舌における分子レベルでの検索を行う。またダブルノックアウトを作成し、舌の表現型の変化を確認し、Ift88とOfd1の相互関係も検索する。organ culture法やrecombination法などによるin vitro、妊娠母親マウスを用いたin vivo実験に、SiRNA、antagonist、agonist、などを駆使することにより、一次繊毛の舌の発生における機能解明を試みる。
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Causes of Carryover |
研究室の一時的移転等の関係で、使用できなかった旅費、消耗品が生じた。次年度には、予定の使用計画で予算を執行可能である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前述した推進方策にしたがい、必要な実験動物、試薬等の消耗品類を購入する。また、国内外の学会における成果発表の旅費に充てる
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