2014 Fiscal Year Research-status Report
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26861782
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
磯貝 由佳子 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (20724743)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス / 矯正力 / 歯根膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯に矯正力が加わると歯根膜は圧迫される。その結果、圧迫された一部の組織は虚血状態となり硝子様変性が生じる。矯正力は一時的に歯根膜組織に障害を与えるにもかかわらず、これまで、その細胞・分子機構や、障害に対する細胞の生体防御反応について十分な検討はされてこなかった。一般的に細胞が虚血や酸化ストレスなどの様々な異常環境に曝露されると、不良タンパク質が小胞体に蓄積し細胞にダメージが加わる(小胞体ストレス)。同時に、細胞は障害を回避するために不良タンパク質の修復や分解を行うシステムを駆動させ、障害から身を守り恒常性を維持する。そこで、本研究では、矯正力によって圧迫される歯周組織に小胞体ストレスと小胞体ストレス応答が生じるか、その詳細を検討するため、実験的歯の移動による歯根膜の圧迫が組織の低酸素状態を惹起するか、また、それがいつどこに生じるのかを明確にすることを計画していた。本研究初年度は、実験的歯の移動モデルを用いた低酸素状態となる組織部位を特定することを計画していた。ラット(P2)を用い、Wald法に基づいて歯の移動を行い、低酸素マーカーであるピモニダゾールにより低酸素状態となる組織部位を特定した。さらに平成27年度の計画としては、小胞体ストレスマーカーのmRNA発現レベルをin situ hybridizationで観察し、realtime RT-PCRで測定することを計画しており、これまでに、小胞体ストレスマーカーであるCHOPおよびGRP78のmRNAの発現をin situ hybridizationで確認することができた。さらに詳細な解析を進めることによりこれまで明らかにされていない歯の移動における小胞体ストレスのメカニズムが解明されることで、矯正治療のリスクとされている歯根吸収や歯槽骨レベルの低下等に対する問題の解決の糸口となる基盤的所見が得られることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究は、実験的歯の移動モデルを用いた低酸素状態となる組織部位を特定することを計画していた。現在までに、ラット(P2)を用いWald法に基づいて歯の移動を行い、低酸素マーカーにより低酸素状態となる組織部位を特定し、小胞体ストレスマーカーのmRNA発現レベルをin situ hybridizationで観察するところまで完了しており、研究計画どおり順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度と同様の方法で実験的歯の移動を行い、マイクロダイセクションにより歯根膜の圧迫側の組織を切り出し、Bip/Grp78、Chop/Gadda153、Atf4等のmRNAの発現レベルをrealtime RT-PCRにて測定する。このような実験により歯の移動に伴う歯根膜の圧迫により生じるストレス小胞体応答の詳細なメカニズムが解明することが予想される。
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Causes of Carryover |
額面としては小さいが、次年度の実験に使用する器具等の費用に充てるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に計画している実験の実験器具等の費用に充てる予定である。
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