Feeding-stimulating factor modulates synaptic transmission in the insular cortex

2016 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 26861801
• Research Institution: Nihon University
• Principal Investigator: 武井 浩樹 日本大学, 歯学部, 助教 (50632543)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: オレキシン / 島皮質 / 局所神経回路 / パッチクランプ

Outline of Annual Research Achievements

健全な食習慣を獲得するための重要な因子として味覚が挙げられる。大脳皮質島領野（島皮質）は一次味覚野として知られている。味覚を修飾するものとして食欲があり、島皮質は摂食中枢である視床下部と密な神経連絡が存在すると報告されている。そこで、本研究ではパッチクランプ法にて摂食促進因子であるオレキシンを用いることで、摂食促進因子の島皮質における局所神経回路に対する修飾作用を検討する。これにより味覚と摂食関連ホルモンとの関係について神経回路レベルで明らかにすることを目的とした。
実験には生後２～４週齢のVGAT-Venusノックインラットから島皮質を含む急性脳スライス標本を作製した。複数のニューロンより同時ホールセル記録し、シナプス結合が存在するニューロンペアを見つける。シナプス前ニューロンに脱分極性パルスを与え単一性シナプス後電流を記録し、オレキシン投与による振幅の変化を検討した。
100 nMオレキシンAの投与によりFast spiking cell（FS）→Pyramidal cell（Pyr）で発生した抑制性単一性シナプス後電流（uIPSC）の振幅は増加した。300 nMオレキシンA投与でも同様の結果が得られた。そのため、オレキシンAは濃度依存的に島皮質の局所神経回路に対して抑制的に作用する可能性が示唆された。また、オレキシンンB投与によりFS→Pyrで発生するuIPSCの振幅を増加させた。オレキシンA・BともにFS→PryにおけるuIPSCの振幅を増大させた。
上記の結果より、オレキシンAは一次味覚野である島皮質における局所神経回路に対して抑制的に作用することが示唆され、味覚と食欲には神経回路レベルにて関連があることが明らかとなった。