2015 Fiscal Year Annual Research Report
歯周治療への応用に向けた、新規の機能水の特性の解明
Project/Area Number |
26861807
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
早雲 彩絵 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (60634128)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オゾンナノバブル水 / 歯周治療 / 菌血症予防効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は口腔内のバイオフィルムに存在する歯周病原細菌によって引き起こされる慢性炎症性疾患であり、歯周治療の目的は歯周病原細菌を含む細菌バイオフィルムを除去することである。近年、従来の機械的デブライドメントに加え、補助的療法として消毒剤を局所応用する方法が考案され、その有効性が報告されてきた。 我々は、オゾンの強力な殺菌能とナノバブルの長期保存性を併せ持つオゾンナノバブル水(NBW3)を歯周治療に応用することを目的に研究を行っている。これまでに、NBW3を歯周病患者に対する超音波スケーリング時のイリゲーション(洗浄)液として使用した場合の臨床的・細菌学的有用性を報告した。また、NBW3が代表的な歯周病原細菌に対して強力な抗菌活性を有すること、ヒト口腔組織に対して高い安全性を有することをin vitroにおいて確認し、報告した。 本年度は、NBW3による歯周治療後の菌血症予防効果について検討することを目的とし、臨床研究を計画した。歯磨きやフロスによる清掃、歯周組織検査、SRPなどの歯周治療により、細菌が繰り返し血流へと侵入し一過性の菌血症が引き起こされることが知られており、歯周病患者に対するSRP後の菌血症の発症頻度は90%との報告がある。健常な人では血流に侵入した細菌は早期に排除されるため問題とならないが、潜在的リスクを有する患者では、歯周治療による一過性の菌血症が感染性心内膜炎などの誘因となりうる。NBW3は強力な殺菌能に加え、局所免疫の増強効果も有する可能性が示唆されていることから、術前にNBW3を用いて歯肉縁下イリゲーションを行うことにより、歯周治療後の菌血症予防効果が得られると考えた。現在、臨床研究結果に関して、詳細な検討を行っている途中である。
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