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2014 Fiscal Year Research-status Report

薬剤性歯肉増殖症における病態ネットワーク解析

Research Project

Project/Area Number 26861809
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

清水 太郎  新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (60609121)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords薬剤性歯肉増殖症 / 歯肉溝浸出液 / マルチプレックスサスペンションシステム
Outline of Annual Research Achievements

降圧薬として用いられるカルシウム (Ca) 拮抗薬は薬剤性歯肉増殖症(GO)を誘発することが知られているが、未だその病因は完全には解明されていない。本研究では、Ca拮抗薬剤性歯肉増殖症罹患歯肉の歯肉溝滲出液 (GCF)におけるサイトカイン、細胞接着因子、細胞増殖因子、マトリックスメタルプロテアーゼを測定し、各種因子間の相関関係を解析することを目的とした。また、それらがGOの病態形式に関与する機序を検証するためマルチプレックスサスペンションシステムを用いて歯肉増殖症のGCFを採取して、そのメカニズム解析を行った。その結果歯肉増殖症部位で特異的に発現したいくつかの因子(細胞増殖因子・細胞接着因子・炎症性サイトカイン)、またこれらの因子間の関連性について国際学会(第98回American Academy of Periodontology)で発表を行った。Interleukin (IL)-8は有意差を示し、IL-1beta,TGF-beta,VEGF-Aなども関連が強いことが示された。また細菌検査では3菌種のうちT.d菌における治療前GO部位と治療前CP部位の比較においてGO部位で多く検出された。
以上を踏まえて更なる因子間のネットワークや相互作用、過剰な増殖細胞増幅のメカニズムの解明、GO予防や治療解析への一助となるよう解析を進めて論文として報告する予定でる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究成果としてGO部位の治療前後比較においてIL-8は有意に減少を示した。また, IL-1beta, TGF-betaでも減少傾向を示した。更にGO部位とCP部位比較においてはIL-8, VEGF-alphaで増加傾向を示した。また、これまでにIL-6とVEGFとの関連についてはこれまでの報告と近似するものであった。上記研究成果については、すでに国内学会、国際学会で発表しており、現在論文作成中である。年内中に国際雑誌に投稿する予定である。

Strategy for Future Research Activity

本研究で得られるデータは、我々がこれまで報告してきた歯肉組織中の遺伝子レベルとタンパクレベルでの比較に加え、歯肉組織とGCFの違いを多項目因子について同時に検索し、そのネットワークや機能を考察することが可能となる。
また、GOの発症が外来細菌刺激に対する過剰な炎症反応の誘発やホメオスタシスの維持、Ca薬剤性の影響による過剰な増殖細胞増幅等により起きるという仮説を裏付けることができるかもしれない。それらはGOの病態解明のみならず、予防や治療法開発への一助ともなり得る可能性がある。

Causes of Carryover

研究は順調に進んでおり、当初予定していた必要経費より低く抑えることができた。理由としては、同時期に多くのサンプル数を獲得できたことで使用薬剤の劣化、機材の購入を抑えることができた。また解析後のデータも安定しており追加解析が必要にならなかったためである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度は積極的に学会等で情報収集、論文をまとめることにより信頼の高い研究報告をする。

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Published: 2016-06-01  

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