2014 Fiscal Year Research-status Report
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26861811
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三木 康史 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10598395)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯周組織再生 / 塩化カルプロニウム / ムスカリン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯根膜は歯の支持・固定装置として機能するばかりでなく、豊富な知覚神経支配を受け、口腔内の感覚装置として機能している。感覚受容器としてはルフィニ神経終末と侵害受容器である自由神経終末の他、血管周囲に自律神経終末も含まれる。近年この自律神経系である交感神経・副交感神経は骨代謝に関与していることが明らかになってきている。塩化カルプロニウムは、副交感神経刺激薬であり、これが歯周組織構成細胞である歯根膜細胞に及ぼす影響について検討を行ってきた。その結果マウス歯根膜細胞株 MPDL22においてムスカリン受容体をはじめニコチン受容体およびさまざまな神経系の受容体が発現していることが、RT-PCRによりmRNAレベルで発現していることが明らかとなった。またMPDL22を石灰化誘導培地(β-glycelophosphate, ascorbic acid含有 10%FCS/α-MEM)のみ及び10μg/ml塩化カルプロニウム含有石灰化誘導培地にて培養し細胞分化誘導を行った。その結果、対照群と比較し塩化カルプロニウム刺激群において有意に骨関連遺伝子の発現が上昇し、アルカリフォスファターゼ活性の上昇が認められた。またアリザリン染色にて濃染したが、ムスカリン受容体のインヒビターを用いたを実験をした結果ムスカリン受容体の2あるいは3が硬組織形成細胞の分化に関与している可能性が示唆された。以上の結果より塩化カルプロニウムはin vitroにおいて歯根膜細胞の硬組織形成細胞への分化を促進する作用があることが明らかとなった。また歯根膜細胞自身が神経系の代謝に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の実験結果により歯根膜細胞にはさまざまな神経系の因子が発現していることが明らかとなった。また歯根膜細胞の硬組織形成細胞の分化に関してはムスカリン受容体が関与している可能性が示唆された。当初予定していた歯周組織欠損モデルを用いた実験に関しては薬剤の投与法など安定した実験結果を得る方法を現在検討中であるが、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度の実験計画としてはin vitroでは歯根膜細胞のムスカリン受容体などがタンパクレベルで発現しているか検討する。塩化カルプロニウムによる血管新生の作用機序の検索を行うため血管新生に関わるシグナル伝達系であるPI3K/Akt系の活性化の有無を検索する。HUVEC (ヒト臍帯静脈血管内皮細胞) を塩化カルプロニウム存在、非存在下で培養し、培養後6, 12時間後のPI3K, Aktのタンパク発現をELISA法を用いて検索する。またin vitroでは塩化カルプロニウムあるいはそれに関連した薬剤による歯周組織欠損モデルあるいは頭蓋骨欠損モデルを用いた治癒過程の検索を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度の試薬、物品購入に備えるため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の研究の推進方策に記載している通りin vivoの実験を行うため、実験動物の購入に使用する。またin vitroでの細胞培養に用いる試薬やプラスチック器具の購入に使用する。また得られた成果について学会発表、論文投稿費用として研究費の使用を予定している。
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Research Products
(2 results)