2014 Fiscal Year Annual Research Report
単球のTNF-α転写調節機構における新規因子TDP-43の役割
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26861817
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
村田 裕美 徳島大学, 病院, 医員 (00583874)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | TNF-α / TDP-43 / 単球 / LPS / 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は,歯周組織に存在する免疫担当細胞が歯周病細菌のLPSに対して炎症反応を起こすことにより進行する炎症性疾患である。LPSの刺激を受けたマクロファージから最も早期に産生される炎症性サイトカインであるTNF-αは,免疫系の活性化や他の炎症性サイトカインの産生を誘導することから,歯周病の病態を修飾する主要な炎症メディエーターであると考えられる。研究代表者はこれまでに,TNF-αの新規の転写制御因子候補としてTDP-43を同定した。さらに,TDP-43はマクロファージのLPS刺激により核内に誘導され,NF-κBなどの転写因子や,そのコファクターと複合体を形成してTNF-αの転写調節に関与している可能性を示唆した。 本研究では,LPS誘導性のTNF-α転写調節におけるTDP-43とNF-κB(p65)の関係性について検討することを目的とした。単球系細胞株THP-1の培養系にTDP-43のsiRNAを導入し,TDP-43のノックダウン下でのNF-κBの挙動を調べた。その結果,0~100 ng/mlのLPSでTHP-1を刺激した場合,コントロール群ではLPS濃度依存的に核内のp65の発現量は増加したが,TDP-43ノックダウン群ではそれが抑制された。また,0~120分のタイムコースを振って,100 ng/mlのLPSでTHP-1を刺激した場合,コントロール群では刺激後30分以内で急激なp65の核内移行が見られたが,TDP-43ノックダウン群ではそれが抑制された。さらに,TDP-43ノックダウン群では,LPSで刺激していないTHP-1の核内におけるp65発現も抑制された。これらの結果から,TDP-43は単球における恒常的なp65核内移行,およびLPS誘導性のp65核内移行に必要であることが示唆された。
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