2015 Fiscal Year Annual Research Report
Aa による歯周病とアテローム性動脈硬化症の発症への関与について
Project/Area Number |
26861821
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
下田平 直大 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (20710007)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 歯周病原性細菌 / アテローム性動脈硬化症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、歯周病原性細菌であるAggregatibactor actinomycetemcomitans (Aa) とアテローム性動脈硬化症との関連性を解明することである。アテローム性動脈硬化症は、血管内皮を障害されることで血管壁にあるLDLを貪食したマクロファージが泡沫細胞になり、動脈硬化の可能性を考慮することとなる。歯周病原性細菌が血管中に存在することで血管内皮における炎症反応は活性化する。その後、血中に存在する単球が血管壁に集積しマクロファージへ分化すると考えられる。本研究ではAaによる血管内皮細胞の単球との接着の変化について検討を行った。 Aaは、1%酵母エキス含有トリプチケースソイブロス培地を用い37℃、5%CO2環境下にて培養を行った。菌体をPBS1mlに混合し超音波にて破砕を行った。破砕後の上清を血管内皮細胞であるHUVEC cellsに混合し、24時間インキュベート後PBSにて洗浄した。その後、PKHにて染色した単球 (THP-1)をHUVEC cellsに混合し、1時間インキュベートした後、4%パラホルムアルデヒドにて固定を行った。 観察した結果よりAaの菌体破砕後の上清がHUVEC cells と単球細胞の接着を促進する結果を得た。さらに、Aaの外膜タンパクOmp100欠損株の菌体破砕後の上清にて同様の接着試験を行った結果、野生株と比較し接着する単球細胞数は低下を認めた。 本研究より、HUVEC cells と単球の接着に歯周病原性細菌の一つであるAaが関与することを示唆した。さらに、この反応にはAaの外膜タンパクOmp100が特に関与すると考える。このことから歯周病原性細菌とアテローム性動脈硬化症との関連にAaが関与している可能性を示唆する。
|