2015 Fiscal Year Research-status Report
初期成年期及び成年期の歯の喪失に影響を与える要因の解析と歯科保健プログラムの構築
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26861828
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
米澤 大輔 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90711896)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 初期成年期 / 成年期 / 喪失歯 / フッ化物洗口 / 齲蝕予防効果 / 歯科健診 / DMFS |
Outline of Annual Research Achievements |
初期成年期(18~25歳)および成年期(25~60歳)における歯の喪失リスクに関する要因分析、および歯科疾患予防プログラムの検討を行うため、初期成年期として「大学新入生歯科健診」の歯科保健データの解析を行い、成年期として成人健診センターにおける歯科疾患情報と全身疾患情報のデータ解析を行うことで、この年代における歯科疾患リスクに関する要因分析を行い、介入可能な要因を特定することを目的としている。 平成27年度の研究実績として、昨年度からの継続で初期成年期における歯科疾患リスクの要因分析を行うために、「大学新入生歯科健診」において、平成27年度の新潟大学新入生3,292人の歯科健診受診予定者からランダムに研究の対象を抽出し,そのなかで同意を得られた441人(平均年齢18.9±1.4歳)を診査の対象者とした。幼少期にフッ化物洗口プログラム(以下,FMR-P)を経験した群(n=165,齲蝕有病率49.7%,平均DMFS=3.07,SD:5.65)は,対照群(n=275,齲蝕有病率64.4%,平均DMFS=4.51,SD:6.82)と比較し一人平均DMFSが低く,その差は統計的に有意であった(t=2.414,P=0.015)。また,部位別のDMFSでは,隣接面DMFS(差:42.9%),および咬合面DMFS(差:28.3%)ともにFMR-P群において統計的に有意に低い値がみられた。これらのことより、幼少期にFMR-P経験のある人の方が青年期において齲蝕は少なかった。よって,現在もなおFMR-Pは公衆衛生的な応用として有効であることを示唆している。 また、成年期の調査として、成人健診センターより、歯科疾患情報と全身疾患情報を入手し、現在解析中である。 なお、成年期における喪失歯のリスクを調べるためにさらに知的障害者施設における歯の喪失歯の要因分析を行い、現在論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、昨年度に引き続き「大学生新入生健診」を実施し、対象者の数も昨年度と併せると500名を超え、リスクに関する要因分析についても、より詳細な結果が得られた。今後、学会発表および論文投稿を予定している。 成年期における解析として、当初の予定ではなかった知的障害者施設における歯科健診データを得たため、喪失歯に関する解析を行うことが出来た。現在、論文投稿中である。 昨年度は今後の予定として、成人健診センターにおける歯科疾患情報と全身疾患情報を入手する予定としていた。その結果、本年度中に、3000名を超える健診データを入手し、現在解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に行った「大学生新入生健診」の結果について、学会発表および論文投稿を予定している。また、本年度中に得られた成人健診センターのデータについては、現在解析を行っているため、今後学会発表および論文投稿を予定し、3年間の研究結果としたい。
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Causes of Carryover |
平成27年度は、データ収集を主に行っていたため、発表の機会が得られなかった。 次年度に予算を繰り越し、平成27年度に収集したデータの解析を行うことで得られた結果について、平成28年度には研究成果の発表を学会および論文にて行う予定としている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会発表時の旅費および論文投稿代を予定している。
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Research Products
(1 results)