2015 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害とコラーゲン結合蛋白を産生するう蝕原性細菌の関連の解明
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26861835
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
渡邉 功 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10636525)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | う蝕原性細菌 / 微小脳出血 / Cnmタンパク |
Outline of Annual Research Achievements |
無症候性微小脳出血Cerebral Microbleeds(CMBs)が脳出血や認知機能悪化の予測因子であること及びコラーゲン結合能をコードする遺伝子(cnm)を有するStreptococcus mutansの脳血管への影響に着目し、症候性の脳血管障害を認めないヒトを対象として、以下の実験を行った。平成24年から26年に実施した297人の調査において自記式質問票、尿・血液検査、身体測定、歯科検診、認知機能検査に加えてHaacheらによって提唱されたSusceptibility-weighted imaging頭部MRI撮影法でCMBsを検出し、唾液中のcnm遺伝子陽性のS. mutansとの関連を検討した。 解析対象となった279人中、cnm遺伝子陽性S. mutansを保菌している者(保菌者群)は91人(32.6%)であった。保菌群及び非保菌群におけるCMBsの有無の割合は、保菌群で10.1%(19/188)、非保菌群で59.3%(54/91)で有意差(p<0.01)を認めた。Cnmタンパクを発現するS. mutansを保持の有無においても同様にCMBsの有無に有意差を認めた。CMBsのリスク因子である高血圧症、糖尿病、抗血小板薬の服用等で調整した後においても、保菌群は非保菌群に対するCMBsありのオッズ比は12.3倍(95%信頼区間:5.89-25.8) であり、cnm遺伝子陽性S.mutansの保菌は有意にCMBs発症のリスク因子となっていた。 また、CMBsの部位別の分布では、cnm遺伝子陽性S.mutansの保菌群およびCnmタンパク陽性群では、皮質下よりも深部においてCMBsが多く認められた。 これらの結果は、“Relationship between Cnm-positive Streptococcus mutans and cerebral microbleeds in humans. Oral. Dis. 21, 886-893.”で第一報を報告した。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Relationship between Cnm-positive Streptococcus mutans and cerebral microbleeds in humans.2015
Author(s)
Miyatani, F., Kuriyama, N., Watanabe, I., Nomura, R., Nakano, K., Matsui, D., Ozaki, E., Koyama, T., Nishigaki, M., Yamamoto, T., Mizuno, T., Tamura, A., Akazawa, K., Takada, A., Takeda, K., Yamada, K., Nakagawa, M., Ihara, M., Kanamura, N., Friedland, R.P., Watanabe, Y.
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Journal Title
Oral Disease
Volume: 21
Pages: 886-893
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] 残存歯数およびアイヒナー分類による咬合支持域と軽度認知機能低下の関連2015
Author(s)
渡邉 功, 宮谷 史太郎, 岩井 浩明, 松井 大輔, 加藤 里佳, 大道 智恵, 田中 里佳, 橋口 加名栄, 小山 晃英, 尾崎 悦子, 栗山 長門, 渡邊 能行
Organizer
第74回日本公衆衛生学会総会
Place of Presentation
長崎ブリックホール
Year and Date
2015-11-04 – 2015-11-06
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