2014 Fiscal Year Research-status Report
新規発毛促進スカルプケア技術開発を目指すアシル化ホモセリンラクトン類の剤形の検討
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26861851
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
西島 良美 帝京大学, 医学部, 助教 (10710733)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スカルプケア / AHL / 発毛促進 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、抗がん剤性脱毛症などに対する看護現場で使用可能な発毛促進スカルプケア技術の確立を目標に、これまでの先行研究で発毛促進効果が認められたアシル化ホモセリンラクトン(AHL)の投与方法を、動物実験により検討した。 本年度は、AHLの経皮投与における問題点を明確にし、安全かつ効果的な投与方法の開発へとつなげるためのコンセプト抽出を試みた。供試動物として雄性ob/obマウス(8週齢)を用い、AHL類のうち発毛促進効果を確認している3-OC12-HSLについて、用手法による背部皮膚への塗布をポジティブコントロール群とし、AHL含有ガーゼを貼付し30分後に除去する群、および同様に貼付し24時間後に除去する群の計3群を設定した。肉眼的観察による発毛の有無と経過日数により評価を行った。発毛効率、発毛に至るまでの平均経過日数の解析から、低容量かつ長時間の感作がAHLの発毛促進効果を発揮させるために重要である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初様々な基剤を用いた試作品を作製し、AHLの外用剤開発を行うことを主たるコンセプトとしていたが、AHLの不安定さ、加水分解のされやすさが新たに明らかとなり、当初予定していた実験計画の変更を検討する必要が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度はAHLの背部皮膚投与における問題点を検討し、その結果、低用量かつ長時間の感作がAHLの発毛促進作用の効果を発揮させるために重要であり、尚且つ連続投与はむしろ発毛効果を阻害するという可能性を示唆するに至った。そこで、AHLの安全かつ効果的な投与方法の確立というコンセプトは残しつつ、研究方針を転換することとする。 剤形を前年度研究結果より塗布型に決定し、発毛促進作用を効果的に発揮するための詳細な条件を決定する。対象として、前年度同様に雄性ob/obマウス(8週齢)を用い、投与の頻度・間隔、感作時間について検討し、最も効果的な塗布方法を明らかにする。
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Causes of Carryover |
前年度実験段階においてAHLの不安定さが明らかとなり、実験の方向性について再検討をする必要が生じたため残金を繰り越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は塗布型の剤形における、AHLの発毛促進効果を発揮するための更なる詳細な条件決定を行う。動物実験による発毛の肉眼的観察により検討項目として、1)AHLの投与頻度、2)AHLの感作時間、3)AHLの投与間隔、を解析する。研究費は、消耗品、実験動物などの物品費、学会発表などの旅費、論文投稿のための英文校正費、投稿料に対して使用する予定である。
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