2017 Fiscal Year Annual Research Report
Post-Disaster Health Care of Disaster Victims Having Chronic Diseases -Focusing on disaster victims in middle-age and old-age-
Project/Area Number |
26861853
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
清水 誉子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (00554552)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 被災者 / 慢性疾患 / 健康管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、慢性疾患を持つ割合が高く、個人的・社会的責任が重いという特徴がある中年期の被災者を対象にインタビュー調査を行うことで、慢性疾患を持つ中年期の被災者が、被災後刻々と変化していく周囲の環境や状況に合わせてどのように健康管理を行っているのかを明らかにし、生活の場の変化に伴う特徴の明確化や老年期との比較を行うことを目的としている。平成29年度は、主に慢性疾患を持つ中年期の被災者にインタビュー調査を行った。対象者は、東日本大震災と熊本地震の被災者で10名程度とした。分析の結果、中年期の被災者は、自身の慢性疾患の管理について、治療を中断すると命にかかわることや日常生活に大きな影響を及ぼすことを、被災後も十分に認識しており、治療を中断しないように注意していた。また、内服薬や注射が生活の一部となっていると話しており、避難生活中に体調を崩すことがあっても、自分なりの対処法を講じていた。 このことから、中年期の被災者は比較的被災後も自己の健康管理に目が向いていることが分かった。今回の中年期の対象者は全員家族と同居しており、また、何らかの職業(定年後の被災者は自治会長)に就いているなど、社会的役割があったため、自己の健康管理がおろそかになることで社会生活や家族への負担が大きくなることを懸念していることが考えられる。さらに、今回の対象者は自宅が半壊または一部損壊であり、被災後短期間の避難所生活後、自宅で生活できていたことの影響も考えられるため、自宅の被災状況に合わせた支援の必要性が示唆された。
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