2016 Fiscal Year Research-status Report
電子メディアが交代制勤務に従事する看護師の睡眠と疲労回復機能に与える影響の解明
Project/Area Number |
26861854
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
細名 水生 神戸大学, 保健学研究科, 講師 (90454181)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 交代制勤務 / 電子メディア / 睡眠 / 疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は不規則な生活リズムを強いられる交代性勤務に従事する看護師の睡眠と疲労状態に着目し、近年急激に普及し生活に不可欠となっている電子メディアが看護師の睡眠と疲労回復機能に与える影響を明らかにすることを目的としている。平成28年度は、政令指定都市の1特定機能病院で二交代制勤務に従事する看護師20名に対して、就寝前の電子メディアの視聴の有無によるランダム化比較試験を行い、睡眠及び疲労度、気分状態の変化を調査した。調査結果では、就寝前に電子メディアを視聴しない群は電子メディアを視聴する群より健康度や活気が低下し、疲労状態の調査指標である自覚症しらべのねむけ感、不快感、ぼやけ感が夜勤後に有意に高くなっていた。平成26年度の調査結果により、交代制勤務に従事する看護師の電子メディアを視聴する割合は98%を占め、就寝前に電子メディアを視聴する者も9割を超えており、電子メディアは日常生活に欠かせないものといえる。したがって、普段どおりに電子メディアを使用できないことはストレスや疲労を生じる可能性が推測された。一方、夜勤前日から夜勤後にかけての2群間の比較では、睡眠、疲労、気分状態のいずれも有意差はみられなかった。 以上の結果から、交代制勤務に従事する看護師は、夜勤前夜や当日の仮眠の就寝前に電子メディアを視聴することが睡眠、疲労、気分状態などの心身状態へ与える影響はみられないことが推測された。また、普段視聴している電子メディアを使用できないことは、ストレスや疲労状態を増大させる可能性が示唆された。現在は、本調査の腕時計型小型加速度センサーによる睡眠覚醒リズム及び自律神経機能評価による解析を進め、心理学的指標に合わせて生理学的指標による分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
介入研究の準備及び研究対象機関との調整に時間を要したことと、調査対象者の交代制勤務の都合により、調査日程の都合が合わずに日程調整に時間を要しデータ収集期間が予定より長期に渡った。これにより分析に入ることが当初の予定より遅くなり、平成28年度の調査において成果の発表に至っていない。現在は、生理学的指標における解析にとりかかっており、次年度に成果の発表を行う準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の調査データの腕時計型小型加速度センサー及び自律神経機能評価による解析を進めて、心理学的指標の分析結果と合わせて分析を進める。これらの成果をまとめて学会発表及び論文投稿を行っていく。
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Causes of Carryover |
平成28年度は介入研究の調査を実施し、解析を行っているが成果の発表まで至らなかったことから旅費や論文投稿準備費用について次年度使用額を生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の調査について学会発表の旅費及び論文投稿に使用する予定である。
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