2016 Fiscal Year Research-status Report
円滑な臓器提供を実現するためのオプション提示法の開発
Project/Area Number |
26861855
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新宮 美穂 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 助教 (70594472)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 移植医療 / 臓器提供 / 選択肢提示 / 意思確認 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦における臓器提供不足を解消し、移植者の需要に応じた臓器提供数を確保することは重要な課題であり、その原因の究明と対策を講じる必要がある。 本研究は、臓器提供施設における臓器提供の選択肢提示及び意思確認に関する課題を明らかにし、その改善策を検討して臨床での実現を目指すことで、国内の臓器提供数の増加に資することを目的とする。 今年度は、臓器提供の選択肢提示及び意思確認に関して、移植医療従事者に対してアンケート調査を実施した。 その結果、臓器提供の選択肢提示に困難さを感じるといった意見が多く、その理由として、患者家族の思いに応えて診療していたところから救命不可能であることを告げるタイミングを計ることが難しいこと、患者家族が動揺している状況の中で臓器提供という選択肢を提示しても理解を得難いこと等が挙げられた。一方で、選択肢提示自体は情報提供の一環であるので困難なことではないという意見も挙がった。 また、臓器提供の意思確認をする際に、患者家族に対する心掛けや気をつけていることとして、説明時の適切で平易な言葉の選択、説明後の患者家族の理解状況及び死の受け入れ過程の十分な確認、強制的にならないようにすること等が挙がり、家族背景やキーパーソンの事前確認も重要な事柄として挙げられた。 医療従事者間での心掛けや気をつけていることとしては、患者及び患者家族に対する誠実な対応の意識づけの他、家族やキーパーソンに関する情報の共有を重視する意見が挙がった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
体調不良による研究の一時中断により、全体的な研究計画の修正が必要になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、今年度の調査に加えて、海外の移植医療従事者への質問紙並びに面接調査を実施し、国内外の意見の比較を行うことで、臓器提供の選択肢提示及び意思確認に関する課題の抽出と具体的な対応策を検討する。 また、引き続き、最新文献の検討、関連学会への参加、研究協力者並びに関連機関との定期的な連絡を通して、最新の知見や助言を得ることにより、効果的な研究計画の実施を図る。 得られた成果については、関連学会や学術論文等により、順次報告していく。
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Causes of Carryover |
体調不良による研究の一時中断により、全体的な研究計画の修正が必要になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会への参加費や関連機関への視察に係る旅費、質問紙の作成及び関連機関への郵送・通信費に計上する予定である。
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