2015 Fiscal Year Research-status Report
性暴力被害者支援のための看護介入チェックリストの作成と看護プログラムの開発
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26861862
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
福本 環 京都府立医科大学, 医学部, 助教 (40650619)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 性暴力被害 / ワンストップ支援センター / 産婦人科医師 / 面接調査調査 / 性感染症検査 / 妊娠検査 / 緊急避妊薬処方 / 性感染症治療薬処方 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、平成26年度に実施した調査2の面接調査のデータ分析に取り組んだ。面接調査方法は、研究代表者が作成したインタビューガイドを用いた半構造化面接法であり、面接調査対象者は、産婦人科医師11名、看護職者15名であった。質問項目は、内閣府が「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター開設・運営の手引」に提示した支援内容11項目について、被害後初めて産婦人科医療機関を訪れた性暴力被害者に対して行った具体的支援内容、難しかった点、困惑した点、留意した点である。 現在、産婦人科医療機関における性暴力被害者に対する対応の多くは産婦人科医師によって行われているため、先に産婦人科医師のデータ分析に取り組んだ。データ分析方法は、質的記述的方法を用いた。 産婦人科医師のデータを分析してみると、手引の11項目の中でも「④性感染症検査」「⑤妊娠検査」「⑥診察後の説明と緊急避妊薬・性感染症治療薬等の処方」の支援内容が医師とごに異なっているとの印象を受けた。そのため、まず、性感染症および妊娠検査、性感染症治療薬および緊急避妊薬処方に焦点をあてて分析することにした。 分析の結果、性暴力被害者は、被害後初めて訪れた産婦人科医療機関において、性感染症および妊娠検査、緊急避妊薬処方に関して同一の診療を受けることが出来ていない実態が明らかとなった。 性暴力被害者が産婦人科医療機関において適切で必要な治療を受けることができるための、性感染症および妊娠検査、性感染症治療薬および緊急避妊薬処方に関するガイドラインを作成する必要性が示唆された。本研究の結果について、平成28年度に学会発表と論文投稿を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の課題である性暴力被害者支援のための看護プログラム開発のためには、プログラムの基盤となる理論構築が必要となる。理論構築のために必要な文献を精読するため、多くの時間を必要とした。そのため平成27年度に行う予定であった看護職者の面接調査のデータ分析に取り組む事が出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成26年度に実施した調査2のデータ分析を引き続き行う。データ分析は2種類行い、1つは、産婦人科医師が被害後初めて産婦人科医療機関を訪れた性暴力被害者に対して行った支援内容11項目に関する難しかった点、困惑した点である。医師が性暴力被害者を支援する際に感じる困難さや困惑点を明らかにすることによって、産婦人科医療機関におけるよりよい支援のために必要なことを検討する。もう1つは、看護職者が被害後初めて産婦人科医療機関を訪れた性暴力被害者に対して行った支援内容11項目を具現化することである。得られる2種類のデータをもとに看護介入チェックリストを作成し、このチェックリストを用いた看護プログラムを開発する予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度に行う予定であった看護職者の面接調査のデータ分析に取り組む事が出来なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、平成26年度に実施した調査2のデータ分析を引き続き行う。得られた結果をもとに、性暴力被害者支援のための看護介入チェックリストを作成し、このチェックリストを用いた看護プログラムを開発する予定である。データ分析とプログラム開発のために予算を使用する。
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Research Products
(4 results)