2016 Fiscal Year Research-status Report
移動援助アセスメントツールの腰部椎間板圧迫力値との関係の検証
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26861878
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
田丸 朋子 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (00634940)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 腰部椎間板圧迫力 / 移動援助 / 腰部負担 / 腰痛 / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度6月および7月に実施した実験のデータは、測定の不備等もあったため、平成28年10月に追加実験として、腰部椎間板圧迫力とTAMAツールの関係を検証する実験を行った。2名の看護師に16例(上方移動8例、水平移動8例)ずつ実施してもらった。看護師には書面と口頭の両方で説明し、同意を得てから実験を実施した。実験条件としては、ベッド上の模擬患者に対し、以下の条件を組み合わせた中で移動援助を実施してもらった。(1)ベッドの高さが身長の半分程度(看護師の身長の49%) (2)ベッドの高さは患者の膝の高さ程度(看護師の身長32%程度) (3)スライディングシート有/無 なお、移動援助を実施している様子は、看護師の左右斜め前、左右斜め後ろ、天井からの5台のカメラで撮影し、分析した。分析の結果、水平移動を実験結果に含めるのは、現在用いている分析方法を使用することができず、また分析方法を変えた場合、TAMAツールの総合得点との相関関係が崩れることが明らかになった。そのため、今後の方針としては、上方移動援助のデータをさらに増やし、TAMAツールの総合得点との回帰の当てはまりをよくすることを目的としたいと考えている。計画としては、平成29年度に倫理審査を再度受け、承認後より順次実験・分析を行い、少なくとも50サンプルは追加したいと考えている。 また、平成29年3月に療養病棟にて、TAMAツールを用いた調査を行った。この調査では、病棟で患者に上方移動援助を行っている看護師に同行し、実際に行われた移動援助を傍で観察した。観察の際、研究者が援助の様子に沿ってTAMAツールを記入し、得点化した。4日間の調査で178サンプルを得ることができた。この調査のデータに平成23年度の調査データを加え、現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
追加実験を一部実施することができた。その結果、さらに実験データが必要であることがわかったが、病院での調査研究を前倒しで実施できた。実験データによってTAMAツールと腰部椎間板圧迫力との関係を明らかにできた後にでも、病院でのデータに実験結果を反映させることができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
腰部椎間板圧迫力を推定する実験を複数回実施し、少なくとも50サンプルの分析を行う。分析の結果データが不足していた場合は、追加で実験を行う。 今年度予算が残った理由は、昨年度のデータでは学会発表等を行うことができなかったため、出張費が大幅に減ったためである。平成29年度は学会発表による出張をしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度は所属を変更して1年目であったため、前年度のデータ分析を行うのが遅くなり、追加実験を実施できたのが年度の後半となった。そのため、一度しか実験を行うことができず、支出が予算よりも大幅に減少した。また、昨年度のデータだけでは成果発表ができず、追加実験の時期が年度の後半となったことから、成果発表のための出張回数が少なかったことも理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度~30年度にかけて追加実験、分析を行い、順次成果発表をしていく。 追加実験では、被験者や患者役の謝金、実験消耗品の購入を予定している。成果発表では、国内の学術集会で少なくとも2箇所での発表を予定している。
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