2017 Fiscal Year Annual Research Report
Enhancement of dietary counseling to improve the health status of patients with inflammatory bowel disease
Project/Area Number |
26861884
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大日向 陽子 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (40570263)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 炎症性腸疾患患者 / 健康状態 / 食事指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,炎症性腸疾患(以下,IBD)患者の食事摂取状況・心理状態をふまえた看護師による食事指導実践化への課題について検討することである。 潰瘍性大腸炎患者(以下,UC群)11名,クローン病患者(以下,CD群)11名の食事摂取状況,心理状態,血液生化学的検査値等の調査結果から各群の特徴と,CD群は経口摂取のみで食事摂取している患者(以下,経口群)5名と,経口摂取とEDを併用している患者(以下,併用群)6名の2群に分け,摂取経路別の特徴を分析した。CD群は血清Alb,摂取エネルギー,たんぱく質摂取量がUC群より低値を示し,特にPUFA,n-3PUFA摂取量は有意に低値だった。調理方法は「煮る」「焼く」が多くUCも同様だった。心理状態ではCD群の「いろいろなことが気にならない」はUC群より有意に低値だった。UC群は血清AlbがC高値を示し,エネルギー・たんぱく質は摂取できていたが,血清CRP,ESRが高値だった。また,CD経口群の血清Alb・摂取エネルギーは併用群より低値を示し,たんぱく質摂取量は有意差に低値だった。併用群は1日のエネルギー摂取量の1/2相当をEDで摂取している影響もあり栄養状態は良好だった。経口群の調理方法は「焼く」が多く併用群は「蒸す」「煮る」が多かった。経口群の心理状態は特に「不安を感じない」等3項目が低値であり,中でも「焦りを感じない」は併用群より有意に低値だった。 分析結果に基づき今年度は結果を担当医と共有し,看護師による定期的な食事摂取内容確認・医師への報告,CD経口摂取群に対しては,n-3PUFAや脂質の摂り方,消化吸収に負担をかけない調理方法の選択ができるよう管理栄養士とも協働した食事指導の重要性が示唆された。 また,Clinical Nutrition Week 2017で発表した内容を共立女子大学看護学雑誌国際学会報告として投稿した。
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