2018 Fiscal Year Research-status Report
仕事を持つ慢性心不全患者のライフスタイルに即した療養行動実施の看護援助指針の開発
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26861886
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 亮子 大阪大学, 医学系研究科, 招へい研究員 (90646788)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 慢性心不全 / 労働者 / セルフマネジメント / セルフケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、仕事を持つ慢性心不全患者のライフスタイルに即した療養行動を支援するためのアセスメントの視点および看護実践内容を明確化することである。それによってジェネラリストの看護師が、仕事を継続しながら療養行動を実施する患者の困難やその背景を把握するためのアセスメントの焦点、ライフスタイルに即した療養行動実施のための具体的な介入方法を理解・実践できる。本年度は、1)仕事を持つ心不全患者が療養行動を実施する上での困難と対処の明確化、2)慢性心不全認定看護師が仕事を持つ心不全患者に対して療養行動を支援する際のアセスメント視点・看護実践内容に関する調査を実施した。 1)仕事を持つ心不全患者が療養行動を実施する上での困難と対処の明確化の実施:3人の患者に対するインタビュー結果を分析した。雇用形態(自営OR組織での雇用)、仕事内容(労作の多いOR少ない)、経済的な状況、職場における他者の支援の存在の有無によって、困難の多寡や対処行動の幅が異なることが示唆された。 2)慢性心不全認定看護師が仕事を持つ心不全患者に対して療養行動を支援する際のアセスメント視点・看護実践内容に関する調査の実施:9名の慢性心不全看護認定看護師に対して60分~90分程度のインタビューを実施した。インタビューでは、仕事を持つ心不全患者への看護に関して、実施しているアセスメント内容・ケア内容・看護で大事にしている事柄、認定をとる前後での看護の変化等を聴取した。現在データ分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
慢性心不全看護認定看護師に対するインタビュー調査の日程調整で、慢性心不全看護認定看護師の方々は通常業務が多忙のために研究者との都合がなかなか合わず、日程調整に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)仕事を持つ慢性心不全患者のライフスタイルに即した療養行動を支援するための看護指針の開発 患者対象調査結果と、慢性心不全看護認定看護師対象調査結果とを統合し、仕事を持つ慢性心不全患者のライフスタイルに即した療養行動を支援するための看護指針を作成する。作成にあたっては、指針の内容の妥当性について研究者と慢性心不全看護認定看護師数名との間で吟味・検討を重ねる。
2)作成した看護指針の実行可能性の評価と精錬 循環器病棟勤務の看護師対象の勉強会を開催し、作成した看護指針の紹介および実行可能性についての意見聴取を行う。意見に基づき指針を精錬する。
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Causes of Carryover |
慢性心不全看護認定看護師対象の調査の進捗が遅れ、本年度中に指針作成まで至ることができなかったため、指針作成のためのエキスパートパネル会議に伴う交通費・会議費の支出がなかった。 次年度は、指針作成のためのエキスパートパネル会議に伴う交通費および会議費、研究成果発表のための旅費等が必要となる予定である。
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