2014 Fiscal Year Research-status Report
造血細胞移植後に慢性GVHDを発症した造血器腫瘍患者の家族支援プログラムの開発
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26861910
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
細田 志衣 聖路加国際大学, 看護学部, 助教 (50709491)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 造血細胞移植 / 慢性GVHD / 家族支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
1:造血細胞移植後に慢性GVHDを発症した患者と家族に関する文献調査:国内外における造血細胞移植後に慢性GVHDを発症した患者と家族に関する研究の動向を明らかにすることを目的に文献調査を行った。方法は、医学中央雑誌・PubMed・CHINAL・PsycINFOを用いて「Hematopoietic cell transplantation」「Chronic Graft versus Host disease」「family]の用語で2005年以降の文献を検索した。同胞間移植に対する治療成績や合併症に対するもの、ドナーとしての家族(親ときょうだい)の思い、移植中のクリーンルーム付き添いに対する家族の身体的心理的負担、慢性GVHDの身体症状に対する緩和や2012年より開始となった移植後長期フォローアップ外来での取り組みに対する会議録が抽出された。海外の文献では慢性GVHDに対する治療戦略が多く抽出され、家族を対象としたものは、ドナーとしての家族の体験や治療成績に関する内容が抽出された。国内外を通じて、家族ケアの重要性は叫ばれているが、造血細胞移植後に慢性GVHDを発症した造血器腫瘍患者の家族の体験に関する研究は事例研究にとどまり明らかにされていないことを確認した。次年度は、造血細胞移植後に慢性GVHDを発症した造血器腫瘍患者の家族の体験から、家族支援のニーズを明らかにする面接調査を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
25年度は国内外の文献検討を行ったが、国外では造血細胞移植後の家族支援に関する文献は、治療成績やドナーとしての家族を対象にしたものが多く、慢性GVHDを発症した家族に特化した文献は皆無の状況にあった。国内においても家族支援に関しては移植中・ドナーとしての家族の思いやセクシュアリティの問題等一部を取り上げた文献が多く包括的に慢性GVHDを発症した患者の家族を対象とした調査が少なく国内外の比較や示唆が得られない状況にあった。そのため、対象を臓器移植を含む移植全般にひろげ文献調査を行ったことで時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は造血細胞移植後に慢性GVHDを発症した患者の家族支援プログラム開発し、患者家族支援に役立てることである。27年度は造血細胞移植後に慢性GVHDを発症した患者の家族に関する面接調査を実施し、面接調査で得られた家族の体験から支援ニーズを明らかにする。面接対象者は移植後長期フォローアップ外来を開催している施設に通院をしている患者家族ではなく、フォローアップ体制のない状況で療養中の患者の家族からの面接調査を計画しており、患者会等の協力を得ながら進める計画である。さらに移植後長期フォローアップ外来が始まり、3年を経過しているため移植後フォローアップ外来を担当する看護師他専門職へのアンケート調査を計画する。患者家族側と医療者の視点からの得られた結果を基盤に家族支援プログラムの作成にあたる予定である。
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Causes of Carryover |
26年度は文献調査を実施し、データの入力等で人件費を使用しなかった。 27年度は面接調査の実施を予定しており、面接調査のための調査交通費ならびに面接内容の逐語録作成の委託費等や面接調査前のプレテスト等で人件費として使用する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
面接調査のための調査交通費 面接調査後の逐語録作成外部委託費
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