2014 Fiscal Year Research-status Report
全身麻酔を受けた術後患者の自律神経活動を基盤とした離床プログラムの開発
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26861911
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
細萱 順一 日本医科大学, 医学部, その他 (90648180)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自律神経 / 全身麻酔 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は研究データを確実に収集するために、疼痛に影響を受けないように手術後の自律神経活動を正確に評価できるための診療科領域を検討した。様々な診療科の手術後患者の疼痛の程度をNRSで評価し、比較的NRS値が低く、変動が少ない形成外科領域と消化器外科領域を中心に対象者を選定する予定とし、当該診療科の医師に説明するプロトコルや採血オーダーの依頼内容を作成した。また、データ収集場所として生理機能センターの管理者と調整し、センター内の部屋の確保と患者の状態が不安定になった場合の連絡方法の確立を行った。それらを踏まえて、研究計画書と倫理審査申請書類を再考し、研究施設の研究倫理審査委員会へ倫理審査を依頼している。 また、研究施設内の健康な医療者(本研究のデータ収集・分析における協力者)を対象に、作成したプロトコルの確実性を検討した。その結果、座位・立位時の血圧測定を行う上腕の位置で血圧値が異なったため、上肢を支持する支持台または座位補助器具の申請を行なうことを検討している。また、心機能測定機器タスクフォースモニタの校正を必要としたため依頼を行う予定である。医療者を対象に行ったプロトコルの検証により、心機能測定機器タスクフォースモニタの使用方法を熟知することができ、以下の結果が得られた。 1.安静臥位に比べ、立位直後で心拍数は上昇し、血圧は低下する傾向にあるが、両群間で有意差はみられなかった。 2.安静臥位に比較し、端座位直後または立位直後では一時的に交感神経が亢進するが、有意差はなかった。 これらの傾向をもとに、全身麻酔を受けた患者の自律神経活動を考察する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
手術後の自律神経活動に大きく影響を及ぼすと考えられる疼痛を可能な限り除外できる診療科と術式の患者を研究対象に選定するために時間を要した。その結果、平成26年度中に研究倫理審査委員会に再審査請求を提出する予定であったが提出することができなかったため、予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度前期までに研究倫理審査委員会の承認を受け、研究対象者からデータ収集を行う。平成27年度後期において、目標研究対象者30名からのデータ収集を終了する。その際、10名ずつのデータ分析を行い、データ収集方法や調査環境の是正が必要か検討する。
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Causes of Carryover |
平成26年度中に倫理審査委員会の承認が得られなかったため、具体的な具体的な物品の購入に至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度前期に倫理審査委員会の承認を得て、必要な研究物品の購入を行う。また、関連学会に参加し、研究結果の分析の方向性や論文投稿する学会誌の選定を行う。
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